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「インドの仏」展で世界平和を思う

先日の4月4日(土) 、東京国立博物館へ「みちのくの仏像展」へ行った際に、現在、表慶館で開催している「インドの仏」展にも寄りました。
 
この展示会はアジア初の総合博物館として1814年に創立されたコルカタ・インド博物館から、インド仏教美術の至宝約90点を展示するというものです。
 
構成は以下の通りです。
 
仏像誕生以前
釈迦の生涯
仏の姿
さまざまな菩薩と神
ストゥーバと仏
密教の世界
経典の世界
仏教信仰の広がり
 
とても面白く、興味深い展示会でした。仏像が並んでいるだけなのかと思っていたら、さにあらず。仏像も、日本の仏像とはまったく違う姿の物で、先に「みちのくの仏像展」を見ていたので、比較できて面白かったです。
 
仏教について、詳しく知っていたら、更に面白かったと思います。仏教が広がり、日本に来たことで、私たちが普段目にしている仏像に変わっていくわけですが、インドだけでなく、周辺の仏教国の仏像の表現は様々で、また年代によっても造詣が違い、とても興味深いものでした。
 
また、経典のお話や挿絵は、日本のものでは絵巻物に当たると思われるのですが、面白い展開と信心を説くストーリィ展開が経典ならではです。挿絵の女性がグラマーでエロいのもインドならでは。その女性は悪魔ということですが。他の単品の女神もまるで黒人ダンサーのようなボリュームある胸とキュっとくびれたウェスト、豊かなヒップで肉感的。日本の仏教関係、絵巻ではお目にかかれないほどの躍動感で、見ているのが楽しくなります。
 
アミダであなたに合う女神を選んでくれるというコーナーでは、その女神の効能が「ヘビよけ」とか、「カに刺されにくくする」とか、その女神が多く信仰された時代と場所を彷彿とさせます。今の日本では、特に東京では、「ヘビよけ」の能力はあまり必要ないしなぁ。それでも「カに刺されにくくする」というのは、昨年のデング熱の流行を考えると、その女神にご助力いただきたいかと思いますし、現代でも使える効能もあるのです。もっとも、「信念を貫く」とか、万人が欲しい力を援助してくれる女神もおりました。
 
最後の方は、時間が足りなくて駆け足になってしまったのが残念です。「ヴェッサンタラ本生」というストーリィが彫られている銀の鉢が2つ出ていたのですが、これはどちらも素晴らしく、もっとじっくりと見たかったです。何でも気前よく上げてしまう王様の生涯が描かれているそうで、最初は小さいのなのですが、そのうち馬車、息子である王子、王国とどんどん上げてしまい、自分たち一族は困ってしまう。そこに仏様のお力で、王国を取り戻しました、というようなお話のようです。困っている人に与えよ、という仏様の教えを守ると、更によくなるというようなことなのでしょうか。
 
一応、仏教徒のはずなのですが、仏教といっても広範囲で、インドの仏教について、最低限でも知識があれば、もっと理解できたと思います。インドは彫塑好きにはたまらないほどの彫刻が沢山ある国ですが、インドに行って彫刻を見てみたいとつくづく思いました。ただ、現在のインド旅行は結構怖いかなと思うので、彫刻をめぐるツアーなんてあったらいいなと思います。
 
世界全体が10年前に比べると物騒になっている感が否めません。世界平和というのもまた、仏教の目指す方向性だったりしませんでしたっけ ? 詳しくは分かりませんが、そういうことにしておきます。
 
5月17日までの公開なので、是非ご覧になることをお勧めいたします。見ていて楽しく気持ちがいいですよ。
 
 

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