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根津美術館「燕子花と紅白梅」展で華やぐ

昨日、日本橋高島屋で開催中の「琳派のきらめき展」の後、燕子花 ( かきつばた ) と紅白梅の二大国宝同時展示で話題の根津美術館尾形光琳300年忌記念特別展 燕子花と紅白梅」展に行きました。もちろん、お目当ては尾形光琳の「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」です。
 

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ものすごく混んでいたら辛いな~、前売りチケット持ってないし並ぶのかな~と思いつつ、美術館に14:00頃に到着。いつの間にかリニューアルされていたようで、入り口が信号を渡ってすぐの所になっていました。道路に沿って竹が並び、門を入ってすぐに、交通量の多い外と隔てられ、落ち着いた空間が出現します。建物の壁も竹が貼ってあるようなデザインで、建物の入り口に続く空間は、両側が竹に囲まれ、まるで竹林に迷い込んだような気分になります。不思議なもので、気持ちが落ち着きます。
 
約20分ほど並んで、建物の中へ。結構混んでいました。
 
第一展示室での展示で、展示室に入って正面の展示スペースにどど~んとまず「燕子花図屏風」、並んで「紅白梅図屏風」がありました。
 
思えば、今までこんなに有名なのに尾形光琳の「燕子花図屏風」も「紅白梅図屏風」も見ていないのです。今回、初のお目見えです。「燕子花図」とよく似た「八橋図」は見たことがあるのです。不思議なもので、「八橋図」はメトロポリタン美術館の所蔵なのですが、根津美術館にある「燕子花図」は見たことがなかったのです。
 
実際に見てみると、燕子花は思いのほか大きく描かれていて、色も群青色が鮮やか。花はふっくらとしています。右隻に比べて左隻が手前になるように描かれています。屏風の特性を考えて、斜めから見てみると、燕子花の茂みの中に身を置いているような気分になります。花が段々に見えます。こちらに花が迫ってくるようです。
 
屏風は立て方で色々楽しめるインテリアだと思うのですが、こういう豪華な屏風を自分の好きなように立ててみたいものです。左右の隻を向かい合わせて置いてみたらどうなんでしょう。燕子花の花畑にいるような気分になれそうです。
 
さて、その隣に置かれた「紅白梅図屏風」ですが、いや~、たまらないです ! 私、これ、大好きです ! 真ん中に川の流れ、右に紅梅、左に白梅。一説に紅梅は青年期、白梅は老齢期を描いているということですが、紅梅は枝が上に勢いよく上げられるように描かれており、対する白梅は上から大枝が下に向いて描かれ、一旦地面近くまで降りた枝が、「まだまだ」とばかりに上に跳ね返っています。紅梅の根元はステップを踏む足の様な形ですが、白梅は地面に踏ん張って倒されまいとしているように見えます。木の幹の描き方は琳派の技法のたらしこみ満載で、色の濃淡やにじみで質感が出ています。真ん中の川は黒い川に茶色の波。
 
この川の波の色は経年劣化で変色しているらしいです。テレビの番組でそんなことをやっていたのを見た記憶があります。もともとは銀色だったらしいのですが、それが経年劣化して茶色になったらしいのです。テレビでは、もともとの想像図を見せてくれていましたが、とても鮮やかで派手でした。私としては現在の茶色の波というのは、これはこれで落ち着いてシックでいいなと思います。
 
そしてこの波の形です。琳派特有のデザインですが、とても素敵。見ているうちに、クリムトの作品の模様って、琳派の作品に影響をうけているのかしら、と思うほどよく似ていると思いました。
 
さて、この展示会の構成は以下の通りです。
 
第一章  燕子花図と紅白梅図 「模様」の屏風の系譜
第二章  衣装模様と光悦謡本 光琳を育んだ装飾芸術
第三章  団扇・香包・蒔絵・陶芸 ジャンルを超える意匠
 
同じ日に銀座で琳派の全体を見てきた後に、こちらではひたすら光琳光琳で、キンキラキン。実に豪華で見ていて嬉しい、楽しい。「やっぱり琳派はこうでなくっちゃ ! 」 という気にさせてくれます。
 
光琳の実家の家業が呉服屋であったというのも、後の光琳に多大な影響を与えているようです。デザイン帖ともいえる「光悦謡本」など、作品製作の裏に迫る資料の展示もあります。5月4日から「孔雀立葵図屏風」の公開が始まり、ちょうどいいタイミングでの訪問でした。
 
そして、今は丁度、燕子花の季節で、美術館の広大な敷地の中で満開です。この美術館の日本庭園は初めて歩きましたが、想像していたよりはるかに広く、都会の真ん中に居るのを忘れてしまいます。
 
この美術館に行く際は、時間は多めに取って、庭園散策も楽しむことをお勧めいたします。
 
とにかく「見たぞっ」という満足感がある展覧会でした。国宝「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」を並んで見られる機会はそうそうありませんから、この機会に是非ご覧になることを強くお勧めいたします。とにかく満足感が高い経験でした。
 
 

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