上野で開催中の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」に、本日やっと行きました。
当展覧会は新型コロナウィルスの影響で、完全予約制です。
今回の展示会はイギリスにあるロンドン・ナショナル・ギャラリーから日本初公開の61点の絵画を展示するというものです。言わばロンドン・ナショナル・ギャラリーの顔見世興行と言うか、サッカーだったら選抜組みたいなものかと思います。とにかくロンドン・ナショナル・ギャラリーが持っている作品で、有名どころを一通りお披露目します、と言った構成です。
展覧会の構成は下記の通り。
I イタリア・ルネサンス絵画の収集
II オランダ絵画の黄金時代
Ⅲ ヴァン・ダイクとイギリス肖像画
Ⅳ グランド・ツアー
Ⅴ スペイン絵画の発見
Ⅵ 風景画とピクチャレスク
Ⅶ イギリスにおけるフランス近代美術受容
有名どころの画家の作品を一通り俯瞰した感じです。中でも気に入ったのがゴッホの「ひまわり」、レンブラントの「34歳の自画像」、ヴァン・ダイクの「 レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー 」です。ロンドン・ナショナルギャラリーはルネサンスと北方ルネサンスは弱いのか、たまたま今回出品しなかったのかダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロなどの作品はなく、唯一ボッティチェッリの作品が出ていただけ。私としてはそれはあまり面白くない作品でした。北方ルネサンスに区分されると思える作品もレンブラントの自画像とフランス・ハルスくらいでした。そうそう、フェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女性」が来ていました。フェルメール作品は東京で全て見られるかもしれません。しかも今回、この展示会は日本初公開の作品ばかり持って来ているので、「ヴァージナルの前に座る若い女性」も初来日でしょう。
スペイン絵画は頑張っていて、ベラスケス、ゴヤ、ムリーリョ、スルバラン、エル・グレコとなかなか賑やか。印象派、後期印象派もよいラインナップでした。
そして最後にドンっとゴッホの「ひまわり」。
ゴッホは画家の共同生活を夢見て、アルルの黄色い家で7枚の「ひまわり」を描いたのだとか。その中の3枚目と4枚目を気に入って、それにはサインを入れているのだそうです。後から来ることになっていたゴーギャンの部屋に飾るため にそのひまわりは描かれたのだとか。
なんか、ちょっと泣かせる。ゴッホは画家の共同生活を夢見ていて、来てくれるゴーギャンにとても期待していたのでしょう。結局、割と早くその夢は終わりを告げるわけですが、黄色いバックに黄色いひまわりが揺らめいている絵はまるで、ひまわり自身が夢を見ている様です。
黄色い絵、なんだか元気が出てくる色味です。
色々な絵を見て来た最後にゴッホが全部持って行った感のある展示会でしたが、私自身、ゴッホの「ひまわり」が見たくて、会場に足を運んだのでした。
ロンドン・ナショナルギャラリーにある「ひまわり」の次に描かれたのが、安田火災にある「ひまわり」だそうです。別室で7枚の「ひまわり」が描かれた順に画像で並んでいまして、大変わかりやすい解説となっています。2枚目に描かれた濃紺のバックの「ひまわり」は、日本にあったのですが、空襲で焼失してしまったそうです。それもとても素敵でグッとくる「ひまわり」です。
新型コロナウィルスの関係で、今回の展示会は日時指定となっていますが、面倒でも予約して足を運ばれることをお勧め致します。きっと好きな作品があるはずです。そしてゴッホの期待に胸を膨らませる「ひまわり」を見て欲しいです。
📷「レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー」
📷 「ヴァージナルの前に座る若い女性」