今日、昨年オープンしたアーティゾン美術館で開催中の「琳派と印象派展」に行きました。
アーティゾン美術館は元の名前はブリジストン美術館で、タイヤメーカーとして有名なブリジストンの創業者のコレクションが中心となった美術館です。
今年の「東京駅周辺美術館共通券」を1月に購入してすぐに、新型コロナウィルス感染症の件があり、ずっと使えずにいたのですが、予約制で各美術館も復活、「東京駅周辺美術館共通券」を持っている場合は予約いらずなので、やっと新しい美術館に行っていました。
しかも大好物の琳派です。行かないと!俵屋宗達の「風神雷神図屏風」が展示会の目玉と言うことだし。
構成は以下の通りです。
序章 都市の様子
1. 京
2. 江戸
3. パリ
第一章 the 琳派
1. 花木草花
2. 物語絵
3. 墨の世界
1. 継承
2. 水の表現
3. 間
4. 扇型
5. 注文主
第三章 the 印象派
1. 都市市民の肖像
2. 静物への関心
3. 神話的世界
4. 郊外への憧憬
終章 都市を離れて
90点、見たのか。トータル107点で、前期・後期の架け替えがあります。実は、架け替え、失念していました。てっきりアーティゾン美術館は洋画の美術館なので架け替えが無いのかと思っていたのです。全コーナー見た後、「あれっ?『風神雷神図屏風』見てないよね?どこか別の部屋があったのかな?」と、目録を見たら、なんと12月22日からの展示でした!なんとなんと、気がつかなかった!やらかしてしまいました!
今回展覧会、前期を見てみて、何というかすごく軽い感じで見られる展示会だと感じました。都会的というか、時間があいたからフラッと入って見られるくらいの量と内容というか、もっとも現在予約制ですが。気負い込んでいかなくても大丈夫、な感じです。
会場入ってすぐに展示されている「洛中洛外図屏風」は江戸時代17世紀の作品ですが、作者が分からないらしい。でも、これ、面白い作品でした。左隻に描かれているのは1620年頃にあった後水尾天皇の女御として入内する徳川和子の一行を見ようと集まった人々だそうです。右隻はお祭りの様子で、どちらも賑やかな京の姿を描いています。江戸時代に入っているからか、町の様子も町人たちが心安く生活しているように見えます。この作品は雲の描き方が特徴的で、金色に塗った上に更に盛り上がるように内側を塗り、転々で雲の内側を囲んでいます。雲の面積も少な目で、下側に行くほど近景のためか建物や人物が大きく描かれています。楽しくてついついじっくり眺めてしまいました。
私が気に入ったのは俵屋宗達の制作集団である伊年印の「草花図屏風」、尾形光琳の「竹虎図」(京都国立博物館のゆるキャラとらりんのモデル) 、「孔雀立葵図屏風」(重文) 、俵屋宗達の「舞楽図屏風」(重文) 、セザンヌ「サント・ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」といったところです。
光琳の「竹虎図」は想定していたより小さくて、あらっ!って感じでしたが、可愛くてたまらない。虎というより猫です。「孔雀立葵図屏風」も、「竹虎図」同様初めて見たのですが、美しい屏風です。
宗達の「舞楽図屏風」の絶妙な間とバランス、変な絵と言えば変なのですが、バランスの良さでまとまりが良くて、ハアハアなるほどと感じさせられてしまうのでしょう。宗達の伊年印の「草花図屏風」は色々な花が描かれていて美しい屏風で、こういうのをお部屋に置けたら素敵です。(置けるスペースが実際にはないわけですが)
どんどん見たいって、やっぱり琳派はいいなと感じました。華やかなのがいいです。
宗達の「風神雷神図屏風」が見られなかったのは残念ですが、ま、過去3回くらい見ているので、いいかとも思うし、機会があったら後期も出かけるという手もあります。
この展示会へ殆どの作品を写真撮影できるので、結構皆、バシャバシャ撮っていました。
常設展もしっかり見て帰ってきました。アーティゾン美術館はお洒落な美術館でした。