天皇誕生日。おめでとうございます。
でも、2月の天皇誕生日はまだ慣れません。
今日は良い天気でした。2月28日まで千葉市美術館で開催中の「田中一村展」に行きました。
田中一村は「日本のゴーギャン」と言われる画家で、生前は展覧会で華々しく賞を取って活躍した訳ではなく、没後有名になった画家です。奄美大島で描いた絵が有名になるきっかけだったのと、50歳を過ぎて奄美大島に渡ったことから「ゴーギャン」になぞられているようです。奄美大島に行く前に、千葉県に20年位住んでいたそうで、今回の展覧会では千葉に住んでいた頃の作品を中心にしているようです。
構成は以下の通り。
第1章 若き南画家の活躍
第2章 昭和初期の新展開
第3章 千葉へ
第4章 「一村」誕生 心機一転の戦後
第5章 奄美へ アダンへの道
今回の展覧会では130点の作品のほか一村が出したハガキや手紙、個人蔵の一村の作品13点、一村展の歩みとも言えるポスターや書籍なども展示されています。
千葉時代の昨晩は色紙サイズで割と小さいものが多く、色合いも暗めの物が多いですが、その中でも畑仕事の様子などが四季を通じて描かれて、一村の画業と村の日常がひとつながりな感じがします。
奄美大島へ渡ってからの作品はそれ以前に比べると大胆な画面になったようです。代表作の「アダンの海辺」は以前に見た事があるのですが、砂浜の描写や海の描き方、雲の間から刺す光が手前に大きく描かれたアダンのこちら側と向こう側に展開されています。
凄くいいなと思ったのは手書きの帯で、これは本当に素晴らしい出来です。四角いお皿のデザインもおしゃれで良いです。
一村と言う人は器用なのか、絵だけでなく、木彫もやっていて、帯留めや根付けも展示されていました。
今までの展覧会のポスターや画集で、見た事がない作品を色々と見ましたが、まだこんな絵が沢山あるのかと、もっと見せて欲しいと思いました。一村は時代によってなのか画風が全く違う絵が沢山あり、襖絵と「アダンの海辺」ではまるで別の画家のようです。鬱蒼と南国の草木が生い茂っている作品は、ゴーギャンというより、アンリ・ルソーの様に見えます。今後、襖絵や奄美大島で描いた絵も機会があるごとに見て行きたいと思います。
企画展だけで1時間15分くらいで見終わりました。
常設展では田中一村とゆかりのある画家の作品の展示があるというので、そちらも回ってみました。4名7点の展示で、内3点が東山魁夷の作品です。
奄美大島に行ってみたいものです。