土曜日。なんだかホッとします。
午前中、クリニックで処方箋を出してもらいました。薬局が混んでいたので、明日お薬を取りに来ることにして、出かけました。
今日は両国にある「すみだ北斎美術館」で4日まで開催している「筆魂」という展覧会を見に行きました。
この美術館は数年前に出来て、実は今回初めて伺いました。割と小ぢんまりとしている美術館です。
今回の企画展では浮世絵の先駆とされる岩佐又兵衛から浮世絵の始祖である師宣、歌麿、写楽、北斎、国芳などの浮世絵師の肉筆画を展示。重文、重要美術品、新発見、再発見、初公開作品が約40点含まれています。
構成は以下の通り。
1章 浮世絵の黎明から18世紀前期まで
1節 岩佐又兵衛と近代初期風俗画
2節 師宣・安度・長春とその流派
2章 浮世絵の繁栄
1節 政信・清長・湖竜斎・春章とその流派
2節 上方浮世絵
3章 幕末を彩る両袖 葛飾派と歌川派
1節 歌川派と菊川派
2節 葛飾北斎とその一門
前後期の架け替えがあるので、この日見たのは64点。1時間もあれば見終えられます。
今回、楽しみにしていたのは今回展示会のポスターにもなっている北斎の「立美人図」です。実物は割と小さくて、掛け軸に設えられています。着物、打掛や帯の部分が多く、出ているのは顔と手、履いたぽっくりの先だけ。手の膨よかな感じからさぞや身体も肉感的なのだらうと想像させます。打掛の龍の模様、緑の帯、下に着たピンク色の桜(?)模様の着物、襟元にのぞく水色の絞りらしい布、と豪華な衣装を着けている女性は花魁でしょうか?はんなりとした雰囲気ながら迫力ある衣装を纏っています。身体を前に押し出して歩いているのか、右足の踵がチラリとのぞきます。バランスの妙。素敵な作品です。
国芳の「文読美人図」は縦縞の着物が目を惹きます。こちらの女性はキリリとした表情で、着物の縦縞と相通じるものが感じられます。気っ風のいい姐さんなのか?
岩佐又兵衛の作品も見られます。今更ですが、又兵衛って土佐派なのかしら?顔の描き方が土佐派っぽい気がします。
浮世絵はとても好きで、浮世絵師の肉筆画も浮世絵とは趣が異なり面白く、好きです。今回の展覧会は胃もたれする事なく、お茶漬けサラサラな感じで気楽に見られて楽しかったです。
常設展も見てきたのですが、こちらはそんなに広い会場ではないものの、北斎の年代を追った展示になっており、作品の解説は手前に設置されているコンピュータで見ます。会場の真ん中では、北斎に関連した色々が学べたら遊べたりするコーナーがあって、着物の柄を選んだり、北斎の描いたキャラ的な絵をなぞったり、結構色々出来て楽しめます。北斎と娘、応為(お栄)が散らかった部屋で作画している展示もあり、北斎は炬燵に潜って腹ばいで描いています。
この美術館はショップが入り口脇にありまして、ロッカーは地下。建物を一旦出た所にガラスのお部屋が2つあり、一つは資料室、もう一つは講座などのイベントスペースのようです。カフェはありませんでした。
公園に面して建っているので、今の時期、結構な人出がありましたが、地元の人が子供を連れて来ているようでした。
日常にちょっと浮世を取り入れたい時に、ふらっと寄れる美術館だと思います。