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若冲『動植綵絵』10幅もお目見え 『日本美術をひも解く』

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現在、東京上野にある東京藝術大学美術館で公開中の『日本美術をひも解く  皇室、美の玉手箱』展は会期後半になり、若冲の『動植綵絵』10幅が展示されたので、本日見に行って来ました。

今展は、宮内庁三の丸尚蔵館収蔵の名品に東京藝術大学のコレクションを加えての展示です。全82点の展示ですが、全期間展示のもの、前期、後期、さらに細かく期間があるものなど、本日実際に見たのは何点なのか?1時間30分もあれば見て回れました。もっとも、私の御目当ては伊藤若冲の『動植綵絵』10幅です。過去に30幅全てを一度に見たことがあるのですが、今回10幅まとめて見られるのはなんとも嬉しくて、展示が始まる8月30日を待っていました。

 

この展示会の構成は以下の通り。

序章   美の玉手箱を開けましょう

1章     文字からはじまる日本の美

2章     人と動物の共演

3章     生き物わくわく

4章     風景に心を寄せる

 

絵だけでなく書、螺鈿細工の工芸品、彫刻、焼き物などなど、幅広く色々展示されています。絵巻が色々出ていて、楽しめます。大和絵の絵巻はタッチも漫画の様で和めます。貧しい絵師のぬか喜びの物語を描いた『絵師草子』の可笑しさ、蒙古襲来を描いた 『蒙古襲来絵詞』の戦いの様子の物珍しさ、などなど。岩佐又兵衛の『をくり(小栗判官絵巻)」は岩佐又兵衛はこういうのも描くのかと思いながら見ました。狩野永徳の『源氏物語図屏風』というのもあり、こちらも狩野永徳はこんなのも描くのねとちょっと驚きました。だって狩野永徳と『源氏物語』って、なんだか似合わないと思うのは私だけでしょうか?で、結構いいのご、何というか、流石です。

地下の会場でいよいよ伊藤若冲の『動植綵絵』とご対面です。混んでましたが、以前の展覧会に比べればはるかに見やすい混み具合でよく見られます。今回展示の『動植綵絵』は『芍薬群蝶図』『老松白鶏図』『紫陽花双鶏図』『向日葵雄鶏図』『蓮池遊漁図』『池辺群虫図』『芦鶩図』『芦雁図」『梅花小禽図』『桃花小禽図』の10幅。『動植綵絵』はどれも楽しいのですが、今回の10幅では、私は『芦雁図』が一番好き。水面なのか地面なのか空から急降下する雁、積もった雪がお煎餅の上のお砂糖みたいにとろけているのが何とも良い。黒っぽい雁と白い雪の対比が美しい。『紫陽花双鶏図』『向日葵雄鶏図』の雄鶏の男前な事!キリッとしていて2枚目ぷりが際立ちます。水中や池の周りに集まる生き物たちを描いた2枚はとても愛らしくて、細かいところまで見てしまいます。虫食いの葉っぱもいい。堪能いたしました。

この同じお部屋に円山応挙の『牡丹孔雀図』が展示されています。応挙の『孔雀図』もよく見る気がしますが、美しいです。

最後のお部屋では風景画色々。ぐっと時代は現代に近づいて明治以降のものばかり。前期には海北友松の屏風が飾られていたのですね。このコーナーでは池上秀畝の『秋晴』という6曲1双の屏風が気に入りました。派手さはないものの、穏やかな色彩や図柄が落ち着いて、お部屋にあったら素敵だなと感じました。

前期では狩野永徳、狩野常信による『唐獅子図屏風』が展示されていました。

 

この展示会はコンパクトな印象ですが、中々面白かったです。なにより若冲の『動植綵絵』10幅が見られたのが良かったし、かなり満腹しました。本当に玉手箱を開ける楽しさです。

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📷 上からチラシと目録。ポストカード『芦雁図』『向日葵雄鶏図』。