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行って良かった「東福寺展」 とにかく楽しい驚きが沢山

遂に本日はGW最終日。結構な雨降りなので、家で本でも読んでゴロゴロしていようかなと思っていたのですが、やはり出かけることに。と、言うのは東京国立博物館で開催中の「東福寺展」が本日までだから。こんな土砂降りの日に出かける物好きもそんなにいないだろう、と考え出かけました。

言ってみると私と同じような物好きが結構いました。土砂降りだったのでそこまでは混んでおらず、ゆっくり見られて良かったです。

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この展示会、本当に行って良かった。大当たりです。当初、「東福寺に一体何があるのか?」と思っていたのですが、「日曜美術館」の放送を見て興味が湧いておりました。明兆って、今まで知らなかった絵師がいて、しかも江戸時代まではとても有名で尊敬されていたのだとか。雪舟と肩を並べるとまで言われていたそうなのです。

展覧会の構成は以下の通り。

第1情  東福寺の創建と円爾

第2章  聖一派の形成と展開

第3章  伝説の絵仏師・明兆

第4章  禅宗文化と海外交流

約200点が架け替えありで展示されているものです。

メインは何と言っても明兆の「白衣観音図」と「五百羅漢図」でしょう。明兆の描く観音様はお顔が優しく慈愛に満ちています。お顔を拝んでいると癒される。西洋画の聖母みたいです。真ん中に観音様、左下に善財童子、右下に龍が描かれています。窟の中に観音様がいらっしゃる図で、その衣装、窟の岩の感じや渦を巻く波、龍など、結構太い線で一気に描かれていて迫力があります。緩急を心得ていると言いますか、こんなに太い線で描いているのかと思わされるのにダイナミックなだけでなく繊細な作風なのです。この絵はサイズも大きく、圧倒的存在感を放っています。

隣の部屋では「五百羅漢図」が展示されており、多分架け替えがあったのでしょう、30番より先が見られました。この「五百羅漢図」はとにかく楽しい。描かれている羅漢さんたちも楽しそうで、仏教画なのにまるでクラブ活動の様子を描いたような賑やかさ楽しさです。仏教画だけらってしかつめらしく描く必要もないですものね。描かれている羅漢さんたちがワイワイガヤガヤ、その時の様子が賑わい、一人一人がそれぞれ個性的で、真面目な絵なのに漫画を見ているようです。また解説が傑出していて、より楽しさを盛り上げています。トーハクも変わったものです。もはや真面目一色の堅物ではないのですね。

明兆の作品だけが凄いわけではなく、第2会場の仏像も凄いものばかり。もう、これは必見です。「二天王立像」の迫力は物凄いです。サイズも大きく、こんなに迫力のある像が山門に立っていたとは、時代の問題もありますが猛烈な時代ですね。凄い形相で睨みつけていて、悪鬼も退散しそうです。サイズはずっと小さくなりますが「金剛力士像」も凄い作品で、顔も凄いのですが迫力があります。こちらは慶派の仏師が作ったらしいです。仏像コーナーでは巨大な仏手も飾られていて、元々は仏像のパーツだったのが、本体が焼失したかなにかで手だけ残ったのだとか。その手の大きなことったら!全体像はどれだけ巨大だったのでしょう?

お寺さんの宝物展だからと構える必要は無くて、ただ楽しみに行けば良いと思いました。この展覧会はこの後京都に巡回するので、東京で見そびれた人は京都で見られます。

とにかく素晴らしく楽しい展示会でした。

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📷 撮影OKコーナーがありました。上が巨大な手。下がコピーですが、東福寺にあって年に春と秋の時期に公開される「涅槃図」の一部です。これも巨大な作品だそうです。今春は本日までの公開なので、実物を見る場合は秋を待たないと。