京都旅行2日目。今日はこの旅行のメインの場所に行きました。実は、嵐山にある福田美術館で、しばらく前に見つかった伊東若冲の巻物の展示を行っていまして、明日まだの会期です。その展覧会を見るために、今回、京都にやって来ました。
今回、初めて阪急線を利用しまして、烏丸から桂で乗り換えて嵐山。驚くほどスイスイと短時間で嵐山まで行けました。渡月橋を渡って、観光名所が乱立している岸側の川沿いに福田美術館はありました。10:00開館の15分くらい前に到着。事前にオンラインチケットを購入していたのでスムーズにでした。10:00少し前にオープンした様な。福田美術館は規模があまり大きくないのですが、展示室が2フロア、ショップとカフェが付いています。
今回の『 京都の嵐山に舞い降りた奇跡! 伊東若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?! 』展は全51点の展示。展示の写真が撮れたりスマホで解説が聞けたりと、5年前にオープンした新しい美術館らしい取り組みもあります。
お目当ての今回初公開の巻物は上のフロアに展示されていました。その展示室は、その巻物、白黒が反転した巻物『乗興舟(じょうきょうしゅう)』、若冲の鶏の屏風と掛軸、若冲に影響を受けた絵師たちの作品です。『乗興舟』は過去に2度か3度見ていて、どういうものか分かっているのですが、今回の展示は解説が素晴らしく、巻物のどの部分に書かれている詩はこう言う内容ですと言うのが、原文と現代語訳が付いていて分かりやすい。この作品は若冲と大典和尚が伏見から大阪まで船で旅をした様子を、若冲が絵を描き、和尚が詩を付けたという物で、道中の人々の暮らしぶりなどもよく分かり、船旅の二人の心持ちも分かりと、なかなか興味深い絵巻です。
続いて今回の目玉『 果蔬図巻 』ですが、こちらも絵巻で沢山のお野菜と果物が描かれていて、その解説が上に付いています。まず驚くのが、江戸時代にこんな果物や野菜が既に日本にあったのか、という事。若冲が青物問屋だったので、特別に手に入れたのか、普通に流通していたのか、野菜や果物に愛情が感じられる描きっぷり。色もデザインも美しく、今の時代に見ても素敵です。こちらにも大典和尚の跋文付き。仲良しですね。
下のフロアは若冲の墨絵を中心に色々見られます。若冲が影響を受けた絵師の作品も展示されています。
全部で50くらいの展示なので、1時間もあれば見終われます。特別室に曾我蕭白と円山応挙の作品展示があり、そちらも楽しい。
この美術館では写真撮影ができる為、皆あちこちでバシャバシャやっています。ゆっくり見てお土産も吟味しても90分です。
実はここ、3時間予定していたので、単純に90分時間が空きました。そこで、以前から気になっていた大河内山荘へ行く事にしました。途中、竹林の路を通り、野宮神社に寄り、更に進んで大河内山荘。入り口で1,000円を支払い、中に入ります。受付の方は所要時間20分と言っていましたが、それは無理。山荘と言うくらいで、山がちの所なのです。いくつかの建物を結んだ道があるのですが、順路に沿って歩いても、なんだか山登りをしている様な。確かに見晴らしは素晴らしく、空気も綺麗。近くを電車が走る音が聞こえ、良い環境です。ですが、観光客の団体かつバカ者の団体が下の通路で「ウェーイ」「ウェーイ」言っていてうるさい。私が魔法使いなら、声が出なくなる呪いをかけてやりたいところです。こう言う連中も嵐山に来るのが不思議。なんだかんだで山の中をぐるぐると巡り、1時間くらいはかかりました。それにしても、昔の映画スターって凄い。『丹下左膳』でお馴染みの大河内傳次郎が個人で造った山荘の膨大な広さ、造形。今のスターには真似が出来ない時代もあったのでしょうね。
帰りは公園の方を降ったら、川のほとりに出まして、ボートに乗れるのですね。結構な人が渡月橋から歩いて川上まで来ていて驚きました。そこからうろうろし、また京阪電車で戻りました。
この時点で15:00。突然の空腹感で、何か食べたい。サンドイッチくらいでいいのだけれど。思い立って喫茶マドラグへ行く事に。検索したら四条通りに面している藤井大丸というデパートの中にあり、そこへ行きコロナのたまごサンドを食べました。あちこちで紹介されているマドラグはもっとクラシックな感じだと思っていたのですが、市内に何店舗かあるそうです。そして件のたまごサンド。物凄く分厚い卵焼きが4枚切り食パンくらいの厚さのパンに挟まっていました。巨大すぎる!多分、巨大卵焼きを厚切り食パンで挟んで対角線を4つに切ったと思われます。卵焼きは柔らかくてプリンプリンしています。美味しいけど、私は半年くらいは卵焼きを食べなくていいかなと思いました。そしてやっぱり関東のたまごサンドの方が私は好きだなと思いました。
動けないほど満腹でしたが、17:00からの萬福寺の夜間拝観に行くべく奈良線で移動。今回、この路線、毎日乗っています。黄檗駅で降りて、割とすぐの所に萬福寺がありました。
萬福寺は昨年10月に、本堂を始め、いくつかの建物が国宝認定されたそうで、そのお祝いで毎週、金・土・日は夜間特別拝観を行っているそうです。本日はなんと、お施餓鬼法要が見られるので行きました。まずお寺中が提灯、ランタンで照らされていてとても美しく幽玄の美を感じました。18:00から1時間のお施餓鬼法要は楽しいものでした。実は数年前に石峰寺で行われた若冲の法要『若冲忌』で黄檗宗の法要を見たことがあって、かなり他の宗派と異なった法要だなと思った事があり、楽しみにしていました。
7名のお坊さんと大太鼓とかね担当の1名のお坊さんでお施餓鬼法要が行われました。以前も感じたのですが、お経にふしがついていてまるで合唱の様だったり、民謡の様だったり、楽器も色々入ってきて楽しいお施餓鬼です。法要なので、イマイチ写真が撮りづらく、何枚も撮っていないのですが、よいものを見せて頂きました。
今日は広範囲に移動しましたが、楽しい一日でした。