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デビッド・フィンチャーの「ドラゴン・タトゥーの女」

2月10日から公開されているデビッド・フィンチャー監督の新作「ドラゴン・タトゥーの女」を昨日早速見てきました。
 
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これは先に公開されたスウェーデン映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のハリウッド・リメイク版です。私は残念ながらスウェーデン・バージョンは見ていないのですが、そちらを見ている友人の話では、すごく面白いらしいです。もっとも、原作の3部作を昨年読んで、とても面白く、夢中になってしまったので、タイミングよくハリウッド・バージュンが作られ、しかも監督はフィンチャーと聞いてとても楽しみにしていました。
 
オープニングがこれから描かれようとしているおどろおどろしい世界観を見事に伝えていてかっこいい。
 
一言で言って面白かったです。原作では結構細かい話が積み上げられているのですが、そこを上手に158分にまとめたな、という感じです。40年を隔てて、富豪一族の令嬢に何が起こったのか、死んでいるのか生きているのか、その謎をジャーナリストのミカエルと天才ハッカーの調査員リスベットが探っていく、という話。
 
原作ではこの富豪一族が人数が多くて、誰が誰やら把握するのが大変なのですが、映画では手際よく、あまり関係ない人物はズバッと省いて、すごく判りやすくしてくれています。リスベットの元後見人の弁護士のおじさんが脳卒中で倒れて入院しなくてはならないシーンとか、その後二人でチェスをするシーンだとか、今までの常識をこれでもかと破ってくれたヒロイン、リスベットのホッとできる一面も映像は要領よく見せてくれます。
 
とにかくこの作品はヒロイン、リスベット・サランデルの存在感に掛かっていると言ってもいいような作品で、ルーニー・マーラはよくその期待に応えていると思います。アカデミー主演女優賞にノミネートされるのは当たり前です。このヒロインほど、女優だったら皆やりたい役ではないかしら。今までのミステリーでよくある男性の探偵のアシスタントとしての女性、というのではなく、むしろリスベットが主体でミカエルがアシスタントのようでもあるくらいアクが強いヒロイン。
 
原作ではリスベットが女性として、あるいは未成年者であった時期に後見人が付かなくてはならなかった為に舐めてきた辛酸と富豪一族の令嬢失踪事件、過去の連続殺人といったものが、女性蔑視、女性に対する性的暴行などという切り口でリンクしているのだけれど、どうもこの作品ではその辺がうまく描ききれていない点が残念です。そして、リスベットは天才ハッカーで、そのあたりもイマイチ描かれていない気がします。もっとも「ドラゴン・タトゥーの女」は「ミレミアム」三部作のほんの序章にすぎないので、この後2作作るのかもしれませんね。是非、作って欲しい。そして、そちらでは今作以上にリスベットに大暴れしてもらいたいものです。