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太田記念美術館「北斎と暁斎 奇想の漫画」展 日本画で笑う

先日、原宿に行く用がありまして、せっかく原宿に行ったので、用事が済んだ後に太田記念美術館に寄りました。現在、太田記念美術館では「北斎暁斎 奇想の漫画」という展示会を行っています。奇しくも伺った31日から後期の展示になっていました。
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北斎に「北斎漫画」と呼ばれる一連の作品があるのは有名ですが、幽霊画・妖怪画で有名な河鍋暁斎もユーモラスな作風の漫画がわんさとあります。それを今回一堂に展示しようという試みのようです。
 
実は、北斎は結構、展示会が多く、かなりの作品数を見ているので、見る作品自体はなにやら懐かしい感じすら致します。あっ、あれね、あそこで見た奴ね、という感じなのです。それでも、「富嶽三十六景」などの風景画や滝や橋を描いたシリーズなど、いつ見ても素晴らしく、その水や雨、風などの表現の巧みさ、自然の中で生活している人々の姿もいとおしく、何度見ても良いのです。「北斎漫画」と呼ばれる、ユーモラスな作品も、絵が上手でないとこうは描けないよねというほどのデフォルメ具合に感心すると共にニヤニヤ。北斎はいいですよね、いつ見ても。
 
さて、もう一人の河鍋暁斎ですが、この人も器用で何でも描いてしまう。絵を始めたかなり初期には歌川国芳に弟子入りしていた時期もあり、父が心配して後には狩野派の絵師に再入門させているという履歴の絵師です。妻は江戸琳派の鈴木其一の次女だとか。幽霊画・妖怪画が有名です。暁斎は私の住む町に私設の美術館があるのです。この私設美術館、収蔵数はかなりあるようなのですが、規模が小さく、一回の展示数が少ない為、一度がぁとまとめて作品を見てみたいなとずっと思っていたのです。それで、今回いい機会と、太田記念美術館に上がりこんだわけです。 ( 太田記念美術館は靴を脱いでスリッパに履き替えるので、まさに上がり込んじゃいます )
 
暁斎の展示ですが、やはりかなりの点数ありまして、美術書で見たことがある作品も出ています。骸骨シリーズは昨年、私設の美術館で見ていたのですが、今回再度見てもやはり面白く、骨格の作りや人体の動きが分かっているから描けるのだなと思います。ダ・ヴィンチが解剖してまで人体の作りを知ろうとしたのと似たようなことですね。そして、なんと言っても妖怪画。もぅ、堪らない !! 私、妖怪とかヘンなもの大好きなんです。暁斎の描くへんな妖怪たちのユーモラスなこと ! 怖いというよりヘン、おかしい。言ってよければ、「日本のブリューゲル」ってところでしょうか。
 
太田記念美術館も、そんなに大きな美術館ではないのですが、行って後悔はないです。展示内容は充実していて、規模が小さい分、都心で時間が出来たからとふらっと入っても大丈夫なくらいの時間で、日本の美術に触れられるのは良い点だと思います。場所の利もあるのか、いつ行っても必ず外国人のお客様が何人か来場しています。
 
浮世絵とか日本画とか、日本の美だとか言うと構えてしまう方もいると思いますが、かなり脱力できる作品も多いので、今まで敬遠されていた方はこの機会にぜひ笑いに出かけてください。だって、よ~くこんなの描いたよね、というような人を笑わせるヘン顔を描いたものなどもあるんです。和は楽しみは、深いですよ。