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京都旅行 2016 2回目 3日目

3日目の11月5日(土)は、JR東海のCM「そうだ、京都は今だ。」で注目の大徳寺聚光院の襖絵を見に行きました。特設サイトに予約した方がいいとあったので、しっかり予約。
 
10:20の予約だったので、その前に早朝散歩として糺の森を通って下鴨神社へ。朝早かった事もあり、あまり人がおらず、庭師の方たちなのか、数名が集まっていました。
 
糺の森を抜けて、下鴨神社。一番手前のお屋代では、自分の普段使っている化粧品でお化粧する絵馬が沢山かかっていて、ああここなのかと思ったものの、朝早すぎてまだ社務所も空いていませんでした。それでも境内をウロウロ散策。
 

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更に進んで、大鳥居が見えて来まして、下鴨神社です。昨年行った時は、夜で真っ暗なところ、脇から入ったので、この大鳥居は通りませんでした。
 
今回は境内を散策。御手洗団子の名前の元になった川も拝見。境内の玉砂利を神社の方がならしていました。拝観が始まる前の光景なんでしょう。毎日多くの参拝客が踏みしめるので、新たな一日の始まりには砂利も整えるのですね。
 

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丁度開いたお土産物コーナーを物色して、世界に一つだけの柄と言う着物地で作られたお守りを購入しました。御朱印受付は既に行列が出来ていて、予約している予定が気になり諦めて、下鴨神社を後にしました。ついに今回も有名な御手洗団子は食べられませんでした。
さて、バスで建仁寺まで行きまして、お目当ての聚光院を目指します。このお寺、とにかく広大。千利休切腹のきっかけになった門はどれなのか、分からないうちに聚光院到着。予約より30分も早くついてしまったので、近くをウロウロ。
 
この日の目玉である聚光院ですが、20名位のグループで、案内人が立って回ります。このお寺は、千利休の千家とゆかりが深いそうです。
 

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今回の特別公開は、現在は博物館に収蔵されている狩野派の襖絵を元々あった場所に納めて展示すると言う物です。博物館では平に並べての展示であろうと思われますが、部屋の隅に当たる辺りが立体的になったり、視覚効果を計算しての作画か分かります。
 
特に注目の狩野永徳の花鳥図は実物は本当に素晴らしいものでした。テレビCMでは、襖の前に畳が敷かれ、その手前は水なのか池なのかと見えたのですが、そこは漆塗りの板前で、通常の修行をする部屋は畳は無いのですが、この部屋は周りに畳を敷いているとの事。正面の襖を開けた状態での展示で、その奥の小襖の永徳の父 松栄が描いた夏の風景として、魚が泳いでいる図が見えます。ただ、せっかくなので、全て襖を閉めた状態と開けた状態とで見たかったです。
 
今回の公開では、「花鳥図」以外に、父の松栄の描いた「瀟湘八景図」「竹虎遊猿図」、永徳の「琴棋書画図」の狩野松栄・永徳親子の画業のハイライトが見られます。このあたりの作品製作は、狩野永徳長谷川等伯の確執をメインに据えて描かれた狩野永徳を主役にした小説「花鳥の夢」に出てきて、今思うと、あああのシーンかとなんだか嬉しくなりました。永徳はまさに若き天才だったのだと、こうして実物を目の当たりにするとその画力のすごさにほれぼれと致します。狩野派にまったく興味が無く、どちらかというと好きではなかった私ですらそうなのですから、狩野派ファンにとっては垂涎の機会となった特別公開だったことでしょう。
 
永徳の父 松栄は絵描きとしてはその父 元信、息子の永徳に挟まれて地味な存在ですが、人柄が良かったのと経営の才があったようで、彼の時代に狩野派は拡大し多くのお弟子さんを抱える一台作画工房のようになったようです。自身、自分の才能が父や息子には及ばないと考えていたようで、何においても息子を立てるような仕事の仕方に感じられます。「竹虎遊猿図」では白い猿が2頭いて、1頭は狩野派の祖となった初代、もう1頭の白い小猿は自身の息子の天才 永徳という意味なのではと言われています。そしてその猿を抱いているすこしすねた表情の親猿が自身を現しているのではとの解説が係りの方からありました。そう言われて見てみると、中々ユーモラスな作品に見えますし、自分をそのように哂える才能というのは、なかなか粋なお方だったのではと思います。
 
この特別公開では、周りの廊下からたたみのお部屋を覗き込む方法での拝観でしたが、薄暗いのと距離があるのであまり良く見えないのが残念でした。これは博物館で展示される時にじっくりと間近で再度拝見したいものです。
 
あとは、「花鳥図」のあるお部屋と対するように作られた方丈庭園「百積庭」が、狩野永徳が下絵を描いて利休が整えた庭と言われています。西側手前の沙羅の木は、利休お手植えの木だそうです。更に、重文茶室「閑隠席」「枡床席」があり、茶道三千家との関わりが強いお寺と言われているそうです。また、書院にはぐっと最近の作になって千住博画伯の「滝」が見られます。
 
ご案内は40分で、拝観終了。中は全て写真を撮れません。わずかに受付から靴脱ぎ場に至る通路くらいは写真が撮れます。
 
拝観を済ませて外に出たら、ものすごい人数の着物姿の女性たちがぞろぞろと隊列を組んでやってきまして、どうやらお茶関係の方たちのようですが、聚光院の拝観受付に突進していきました。
 
私は右隣にある大仙院というお寺を拝観しました。このお寺には教科書に出るような有名なお庭があるそうです。解説してくれたお坊さんについて、中を拝観。そのお庭は枯山水で鶴島と亀島という石の島が築かれています。その間に蓬莱山があり、そこから滝となった水が流れてぐるりと方丈を取り囲んでいきます。最初の方は勢いが強く、やがて水は穏やかな流れとなって海に注がれる様を、枯山水で描いています。その水の流れは人生のある姿と一致しているそうです。さすがに禅寺だけあって、なにやら赴きのあるしつらえのお庭です。
 
このお寺は、何故か外国人客、それも欧米の方が大挙して訪れていました。ツアーなのかもしれませんが、英語での案内対応の方がいました。やはり、枯山水というのは日本独自のお庭で、海外の方には人気があるのでしょう。何かを見立てるというのは、日本お得意の技だと思うのですが、その技術と美、禅の精神を堪能するという意味では、枯山水というのは代表格かもしれません。
 
方丈は国宝だそうで、廊下は鶯貼りです。まだ仲良しだった頃の秀吉と利休が並んで歩いた廊下だそうです。様々な歴史的エピソードとともに禅の教えを交えてお坊さんのご案内があります。
 
お茶席も体験できまして、お菓子つきで300円です。お茶はお坊さん自ら立ててくださいます。お菓子は瓢箪の形をしたお寺オリジナルの焼き菓子で、秀吉ゆかりとのことで瓢箪型だそうです。これはお土産コーナーで買えます。また、このお寺は沢庵漬けを考案したり、宮本武蔵と関係があったりで有名な沢庵和尚が居た時代があって、お土産コーナーでは元祖沢庵漬けも購入できます。
 
枯山水のお庭や、日本最古の方丈建築の素晴らしさもあるのですが、現世にあわせてオリジナルのお菓子を販売したりしている、なかなか抜け目が無くお茶目なお寺だと思いました。
 
広大な大徳寺で公開しているお寺をもう一つ訪ねることにしました。
 

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竹林の中にたたずむ高桐院は細川忠興により建てられた塔頭で、敷地内に忠興・ガラシャ夫妻の墓所の他、細川家の墓所があります。忠興は利休七哲の一人であったことから、茶室もあり、拝見できます。全体的に規模は小さいのですが、建物のあちこちのディティールに可愛いデザインがあります。方丈の縁側に腰掛けて眼前のお庭を拝見するのもよいですが、お庭用履物に履き替えての散策も楽しく、結構グルグルとめぐってはあちこちで写真を撮って楽しめます。ここは、前出の2つの塔頭とはまた違った楽しみ方ができる場所でした。周りに竹林があり、静かです。京都のお寺を訪ねるときは、時間をたっぷりとってがつがつせずにたゆたう時間に身を任せるくらいの気分でいると、かなり充実した時間がすごせると思います。得てしてついついガツガツと、多くを回ろうとしてしまうので、ちょっと反省。
 

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大徳寺は沢山の塔頭があるお寺ですが、見所満載でした。訪ねていない塔頭の公開があったら、そちらも行ってみたいと思いました。