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宇江佐真理の小説「大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ」で涼む

「ひとつ灯せ~」イメージ 1
「ええい ! 」
 
宇江佐真理の小説「大江戸怪奇譚 ひとつ灯せ」で涼もうと致します。
 
●あらすじ
料理茶屋の主人、平野屋伊兵衛は真面目一点張りに働いて、ようやく息子に店を譲り、隠居に退いた途端、寝付いてしまった。旧友の蝋燭問屋の伊勢屋甚助が見舞うと、伊兵衛は亡魂にたたられていた。それを払った甚助に誘われて話の会に参加するようになる。
作り話は一切無用。本当にあった怖い話だけを披露しあうという集まりは、甚助の他に菓子屋の龍野屋利兵衛、町医者の山田玄沢、論語の私塾を開いている中沢慧風、北町奉行所例繰方同心 反町譲之輔、一中節の師匠 おはんの面々。
話の会では、百物語の反対に、話を始める時に灯りを灯す慣わしになっていた。
さて、最初のうちはその日に聞いた話に連動した小さな不思議なことが起こっているだけだったが、やがて魔に魅入られたように話の会のメンバーたちに妖しいことが起こり始める。次々と命を落としていく仲間たち。
 
 
最初は、ただのお話の会なんです。それがだんだん怖いことになっていくのですが、これで涼めるかというとダメでした。でも面白く読みました。
平野屋伊兵衛は最初、死を恐れているのですが、お話の会を重ねるごとに死に対する考え方が変わっていくようです。そして、まるで連続殺人事件のように次々にメンバーがやられてしまうのです。あぁ !
 
でも、結局一番怖いのは人間の業とか欲といったものなのですね。亡霊とかは、この世に心残りがあるから出るわけで、つまりそれも
ですよね。
 
今回初めて宇江佐真理という人の作品を読みました。うぅん、正直言って、この作品、宮部みゆきだったらもっと上手に書いたのでは・・・と失礼ながら思ってしまいました。
 
読みやすくて面白いですよ。ただ、もう一ひねりあったら、ずっと良い作品になったのに、と思います。
 
怖くて寒くなる、ということはありませんでした。