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「熱狂の日音楽祭 2013」 1日目

今年もついに始まりました。「ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン 2013」 ( 熱狂の日音楽祭 ) です。もう、名前のごとく、熱狂してしまう日々の幕開けです。
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今年は、「パリ、至福の時」というテーマでクラシック音楽シーンに次々と才能あふれる作曲家たちが登場した19世紀から、音楽だけでなく様々な分野のアーチストが集まって新時代を創造した20世紀に至るまで、フランスのパリで演奏された音楽が大集合するということです。当時フランスでブームを巻き起こしたスペイン音楽と、それらが刺激しあって生み出された作品も演奏するとのこと。
 
今年は、音楽祭の前夜祭に出かけてみました。昨日の19:00からということで、少し早めに着いてしまったのですが、丸テーブルの周りの椅子は既にいっぱい。時間になって、ステージの結構近くで見られたので良かったのですが、今年はThe Cherry Boys というディキシーランド・ジャズのバンドの演奏でした。The Cherry Boys というからには若者のバンドかと思ったら、小父様たち8人組みのバンドでした。イメージ 2
ステージが丸く狭いので、ピアノとドラム・セットを置いたらいっぱい
という感じで、金管楽器の人以外は前からは見えない、という状況でしたが、音は聞こえてきます。演奏は、ディキシーランド・ジャズですからノリノリで踊りだしたくなるほど。でも、日本人は踊らないんですね。約20分くらいの演奏でしたが、会場中、大いに盛り上がりました。とにかく楽しく、ウキウキ気分です。この調子だと、本編の方も大いに期待出来ます。
 
さて、本日1日目に行って来ました。今年は「ルネ・マルタンのル・ク・ド・クール ( ハート直撃コンサート ) “官能のパリ”」というコンサートのチケットが取れました。この音楽祭のプロデューサーであるルネ・マルタン氏の名前を冠したコンサートは、言わば今年の音楽祭の集約のようなものだと考えているので、ぜひ聞きたいと思っていたのです。
 
さて、一番大きなホールAでの「113」のコンサート。演目は下記の通りです。
ラヴェル : ピアノ協奏曲ト長調
          Ⅰ. Allegramente
                    Ⅱ.  Adagio assai
                    Ⅲ.  Presto
サラサーテ : カルメン幻想曲 op.25
サン=サーンス : ハバネラ op.83
ヒメネス : 《ルイス・アロンソの結婚式》より間奏曲 ( カスタネットとオーケストラのための )
 
出演者は
  ニコラ・ドートリクール ( ヴァイオリン )
    ベルトラン・シャマユ ( ピアノ )
    ルセロ・テナ ( カスタネット )
    シナフォニア・ヴァルソヴィア
  ジャン=ジャック・カントロフ ( 指揮 )
 
実は、1曲目のラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」は初めて聞きました。最初、きらきらする感じの曲だなと思っていました。ピアニストも初めて聞く人だったかも。続くサラサーテサン=サーンスは替わってヴァイオリンで聞かせてくれました。どちらも、良かったというか、可もなく不可もなくという感じでした。しかし、最後に出てきたおばさんにはビックリ ! ルネ・マルタンさんが行っていた通り、「今年は最後にサプライズを用意しました」というのはこういう事でしたか !
 
最後の曲に登場したのは、「カスタネット女王」と呼ばれるルセロ・テナさんです。カスタネットって、大抵の日本人が人生で最初に手にする楽器ではないでしょうか。幼稚園で習ったあの楽器。赤と青の二つの木で出来た部分がゴムで止めてあって、そのゴムを手の中指に通して、空いている手で「ウンパ、ウンパ」って打つ楽器。あれを思わずイメージしませんか ? しかし、あれは「カスタネット」の「カ」ぐらいです。フラメンコで使うカスタネットって、両手につけますよね。あっちです。そして、このテナさんにかかるといったいどうやって音を出しているんだろうというくらいカスタネットが自由自在に音を奏でるのです。カスタネットが歌うのです。もう、驚き ! すごい、どうやっているんだろう、とまず驚きます。そして、どんな曲でもいけちゃうんだろうなと思うわけです。あんなすごいカスタネットの演奏を聴いたのは初めてです。楽器というのは、奏でる人がとても上手だと、その楽器の通常の能力を軽々と超越してしまいますよね。例えば、ジェイク・シマブクロウクレレとか。テナさんの手にかかるとカスタネットカスタネットという楽器を超越してしまいます。もう、本当に素晴らしく、会場中が沸きました。アンコールで、カスタネットのアカペラでの演奏をしましたが、余計にカスタネットの技がよく分かり、しかもカスタネットだけだとしみじみした感じすら出るのが不思議です。いいものを見せていただきました。
 
チケットを購入していた次のコンサートまで、約4時間もあり、どうしようかと思ったものの、心配無用でした。地上のキオスクコンサートと地下のOTTAVA サテライトスタジオ、展示ホールキオスクコンサートをはしごしているうちに、あっという間に時間がたってしまいました。
 
さて、本日2つ目の有料コンサートはよみうりホールでの「175」です。出演はピアニストのボリス・ベレゾフスキーのみ。毎年、この人の演奏を楽しみにしています。演目は次の通りです。
 
        1. オンディーヌ
        2. 絞首台
        3. スカルボ
デュティユー : ピアノ・ソナタ op.1より 第1楽章
ドビュッシー : 「前奏曲集 第1巻」より
 
アンコール  イサーク・アルベニス : アストゥリアス
         イサーク・アルベニス : 本人もタイトルを忘れてしまい曲名は不明
 
実は、今回の曲は全て初めて聞きました。予習して行けって感じですが、うっかり予習していませんでした。でも、素晴らしくてついつい曲に引きづりこまれそうでした。鍵盤の上を動く手が、まるで魔法使いがなにやら魔法をかけているような、あまりにも鮮やかで、そこから紡ぎ出される魔法に掛けられたようです。大きな体のロシア人ピアニストの大きな手から生み出される繊細な音色に驚かされます。アンコールで演奏した2曲目は特に優しい曲で、本編と対照的で、どちらも演奏できる幅の広さを見せたなと思いました。毎年聞いていて、この人は飽きないです。
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さて、LFJ ( ラ・フォルジュルネ ) は、沢山の無料コンサートもあります。それはメイン会場の東京国際フォーラムだけでなく、丸の内一帯が会場となって色々な所で演奏されます。今日の私は、東京国際フォーラム内でうろちょろしていました。まず、OTTAVA サテライトスタジオで、たまたま通りかかったところ、これから公演というところで、聖歌隊でしょうか、聖歌を2曲聴きました。次に展示ホールキオスクコンサートで、丸の内フェスティバル・シンガーズの「カルメン」の30分バージョンを見ました。これは、素人のサークル活動らしいのですが、主要の3人はプロの方だと思います。演奏は市川交響楽団有志、ソプラノが浪川佳代さん、テノール志田雄哲さん、バリトン押川浩士さんで、ドン・ホセがカルメンに復縁を迫り、ついには殺しイメージ 4
てしまうシーンでは思わず引き込まれました。「カルメン」ハイライトという感じです。
 
同じステージで、芝学園ギター部の演奏も聞きました。これは芝学園という中高一貫校らしいのですが、そこのギター部で40年くらいの歴史があるらしいです。ギターのみのオーケストラということです。確かにギターと一口に言っても色々な種類があるようです。人によってはマンドリンのような形のを持っていたり、サイズが大きかったりして、こんなにギターにも色々あるとは知りませんでした。4曲の予定で始まりまして、曲名は忘れましたが通常「天国と地獄」と呼ばれる局から始まって、ラヴェルの「ボレロ」もありました。なかなかイメージ 5
ボレロ」をギターのみのオーケストラで聴くことはないと思いますので面白い試みだと思いました。アンコールに1曲やって計5曲。部員は中学生と高校生といるようで、中学生なんて本当に可愛いんですよ。今時珍しくも詰襟の学生服の学校でした。ギター部員の一生懸命な演奏に、会場は沸いていました。
 
地上キオスクでは、昨日聞いたThe Cherry Boys のご機嫌なディキシーランド・ジャズが昨日の3倍くらいのお客さんに大いに受けていました。割れんばかりの拍手でした。このバンドが演奏すると、誰もがウキウキしてしまうようです。
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今日の地上キオスクでの最後の公演でTAKATOSATOPI というアコースティックギターの上野高史さんとバンジョーの吉原聡さんの演奏を途中から見ました。こちら心ウキウキのジャズで観客が手拍子したり体を揺らしたりで大ノリでした。
 
とにかく、「熱狂の日音楽祭」とはよく名づけたと思うほど、幸せな気分にしてくれる音楽祭です。明日も楽しみです。
 
 
今年のポスター。
  The Cherry Boys の演奏風景。
  OTTAVA サテライトスタジオに登場した聖歌隊の一部。
  丸の内フェスティバル・シンガーズの「カメルン」。
  芝学園ギター部の演奏。
  ポスター。