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細川幽斎がよく分かる、永青文庫の「長谷川等伯」展

今日は、東京の目白にある永青文庫で開催中の「長谷川等伯」展に行きました。

この展覧会は細川幽斎ゆかりの南禅寺天授庵の襖絵、全32面初公開と言うものです。この襖絵を描いたのが長谷川等伯。国宝「松林図屏風」より後の作となります。そして永青文庫は細川家の美術館です。

等伯の障壁画32面かぁ~、と言っても、そこは日本画、作品の掛け替えがありまして、前期は9月30日から10月29日まで、後期は10月31日から11月26日までです。

チラシに使われていた「禅宗祖師図」16面は前期のみ。後期は障壁画「商山四皓図」8面「松鶴図」8面、掛軸「玉甫紹?眠像」1幅、日通筆「等伯画説」1冊が展示されています。

「商山四皓図」は中国・秦末に政戦を避けて田舎である商山に避難する高名は先生4人を描いたもので、4人が皆、髪も眉も白かったので四皓(しこう)なのだとか。

水墨で描かれ、どちらかと言うとのんびりした感じです。田舎に向かう先生たちが楽しそう。振り返ってお供らしい人に声をかけています。乗っているのも耳の長いロバで、ほのぼのとした画風です。これが襖絵だったら、結構リラックス出来そう。

松鶴図」は、こちらも水墨画で、鶴が5羽描かれているのですが、1羽は脚しか見えませんでした。これは墨がかすれているのか、元々靄がかった様に描いたものか分からないのですが、鶴がリラックスしていて、見ていてこちらものどかな気分になります。

どちらも「松林図屏風」の様な緊迫感はありません。期待の息子を失って後、時間が経っている時期に描いたのか、穏やかな画風です。

等伯智積院にある「楓図屏風」の様な豪華絢爛キンキラキンも迫力があって大好きなのですが、こういう水墨画もいいですね。

前期に展示された「禅宗祖師図」も見たかったなぁとちょっと後悔。切られそうにむんずと掴んで持ち上げられた猫の表情が可愛いんですよ。

4階が等伯の障壁画、3階が細川幽斎についてのあれこれ、2階が細川家の能面の展示です。

今回の構成は以下の通り。
第1章 天授庵と細川幽斎
第2章 戦国武将・細川幽斎/ 文化人・細川幽斎
幽斎と足利義昭
幽斎と信長
幽斎と秀吉
幽斎と和歌
幽斎と能
第3章 細川家に受け継がれた能の世界

タイトルは「長谷川等伯」ですが、構成を見ると細川幽斎一色。おかげで、細川幽斎についてとてもよく分かりました。武人としてだけでなく、歌も詠めば音曲にも詳しく、お茶はもちろん能も絵もと何でも出来る人だったのですね。武将でありながら雅な人だと感じました。息子がかのひょうげもので、息子の嫁がガラシャですからね。細川家って、結構凄いお家ですね。

3階では国宝の螺鈿細工の鞍が展示されています。日常使っていたらしく、螺鈿の部分が無くなっている部分があり、贅沢だったのだなとつくづく思いました。

年配の方を中心に、結構混んでいました。小さな美術館なので、1時間もあれば見て回れます。

すぐ下が細川家庭園、近くに椿山荘があります。ぶらぶらとお散歩ついでに、等伯の障壁画を見に寄られる事をお勧めいたします。

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