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国宝を見に行こう 「美を紡ぐ 日本美術の名品」

東京国立博物館で「美を紡ぐ 日本美術の名品」という展示会をやっているのを見つけたので、飛んで行きました。

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この展示会では5点の国宝、14点の重要文化財を含む41点が展示されています。

何を見に行ったかと言うと、狩野永徳の「檜図屏風」(国宝) と「唐獅子図屏風」です。それと久隅守景の「納涼図屏風」(国宝)です。

私は狩野永徳は、特に好きでも興味があるわけでも無いのですが、2年前に京都の大徳寺聚光院で見た襖絵が素晴らしく、それまでの食わず嫌いを見直そうと考えています。

「檜図屏風」は確かに凄い迫力がありました。大木が屏風の真ん中にドドーンと描かれ、屏風からはみ出しそう。うねうねと行きているような枝振り、地を這って屏風から抜け出て来そうです。なるほどね、へーっ、という感じです。

私個人としては長谷川等伯の「楓図屏風」や長谷川久蔵の「桜図屏風」の方が好き。でも、狩野永徳が「檜図屏風」を描かなければ、その後に続く巨木の作品は描かれなかったのだろうなぁと思います。

「唐獅子図屏風」も有名ですが、今回、狩野永徳筆の右隻、狩野常信筆の左隻がセットで展示されています。左隻があったのか、と驚きました。よく右隻の2等の獅子の歩く姿は何かで見るのですが、左隻の白い鬣の獅子は初めて見ました。

もう一つのお楽しみ、久隅守景の「納涼図屏風」は、以前、日本美術史を学んでいた際に紹介されており、その実物が見られるのにドキドキしました。

なんか、のんびりとした絵なのですよ。瓢箪の棚の下に茣蓙を敷いて、家族3人で夏の夕涼みをしている図です。父親は腹ばいに寝そべって膝立てをしています。母親は上半身裸、息子も片方の肩脱ぎです。家の戸は開け放たれ、風を入れているのでしょう。何もないけど親子3人集って、ただ夕涼みをするのが幸せの形だとでも言っているような作品。思わず頬が緩みます。この脱力した絵が国宝なのですが、確かに人の幸せを描いているという意味では国宝なのかもしれません。

私が面白いと思ったのは、横山大観の作品で龍が描かれているのですが、なんとなくユーモラスな龍で、その目はまるで玉子に黒豆が貼りついたよう。横山大観って、こういう感じなのか、とへんに関心しました。

展示会場が4箇所に分かれていて、あっちこっち行くのが、ちょっと面倒ですが、出展数が少ないので、1時間もあれば回れます。そうそう、雪舟の「秋冬山水図」(国宝)も出ています。

この展示会の後に、是非本館の日本絵画の部屋に寄って頂きたい。狩野探幽の鳥を描いた掛け軸や巻物、長谷川等伯の「瀟湘八景図」が展示されています。こちらもお見逃しなく。

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狩野探幽の掛け軸。

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長谷川等伯の「瀟湘八景図屏風」。