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「萩尾望都 『ポーの一族』展」少女時代の自分にお帰りなさいを言う

今日は7月25日から8月5日まで東京銀座の松屋銀座というデパートで開催中の「萩尾望都ポーの一族』展」に行きました。

催事コーナーの階に行くと、チケット売り場から既に結構混んでいました。

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この展示会は漫画家 萩尾望都さんの50周年記念の展示だとかで、氏の代表作「ポーの一族」にターゲットを当て、作品の原画の展示や、昨年宝塚で舞台化された際の衣装や小物の展示、一部舞台の様子を映像で見られたら、と言うものです。「ポーの一族」以外でこちらも代表作とされる「トーマの心臓」やその周辺の作品の原画も展示。それ以外の作品の原画も、年代を古い方から新しい所まで展示されました。

萩尾望都さんの原画は、数年前に「萩尾望都 SF作品展」と言うようなものがあり、そちらで見たことがありますが、何と言っても今回は大好きな「.ポーの一族」や「トーマの心臓」の原画が見られるので、ファン垂涎の展示会だと思います。

ポーの一族」「トーマの心臓」は50年の漫画家としてのキャリアを誇る萩尾望都さんの画風の中でも、私はこの時期が一番好き。本当に美しいし、儚いものを描き出している画風だと思っています。

18世紀や19世紀、戦前、現代と各時代ごとの衣装や生活様式なども丹念に描き込まれ、建物の様子や風景、その構図も素晴らしい。それだけでなく、登場人物の心象風景も、これは凄いな、と思わせる画面で見せてくれます。絵のタッチも細かくディティールを描き込むものから、勢いや動きが伝わるようなデフォルメされたもの、時にコメディタッチのものまで、自由自在に物語を操り、それに一番合った絵を描いているとしか思えません。

来場者が、結構皆、展示されている原画を読んでいるので、長い列は中々進まないのですが、それぞれがその作品を読んでいた時の自分に再会しているのでしょう。来場者の殆どが中高年の女性なのが分かりやすい。

絵も素晴らしいのですが、そのセリフの巧みさ、作品世界を形作る物語の描き方の達者なこと、独白や心を吐露するシーンの詩的な言葉遣い、と何をとっても素晴らしく、うっとり。

お友達と来られている方たちが、「これ、好き」だの、ストーリィの説明だのをしているのは、聞くともなく聴こえているそこにいる全員が、「そうそう」と相槌を打っているよう。展示数も多く、お土産コーナー込みで約3時間かかりました。

最後の方で、現在の萩尾望都さんのインタビュー映像があり、やっはりこの人は「少女漫画の女神」なんだなぁと思いました。

小・中・高と学校に通っている間、熱烈に作品を読んでいて、この人の作品が私の心の血肉の何割かを作ったんだなと思います。自分が年を経て、また子供だった頃、ティーン・エイジャーだった頃に好きだったものに戻って来たような気がします。

2016年に「ポーの一族」は物語を再開しました。「お帰りなさい、エドガー、待っていたよ、アラン」と言う気持ちと、「お帰りなさい、萩尾先生」と言う気持ちがあります。そして、夢中で読んでいた頃の私自身もまた、お帰りなさいと言ってあげたい。

そんな、ちょっとセンチメンタルな気分にもさせてくれる展示会でした。

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