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「007 スカイフォール」でスカッとする

今、話題の「007 スカイフォール」を見てきました。本当は、先週さっと見に行く予定だったのですが、テレビで「慰めの報酬」があったので、それを見てからにしようと、1週遅れてしまいました。ダニエル・クレイグのボンドになってから1作目の「カジノ・ロワイヤル」は劇場で見ていたものの、それも随分前になってしまい、今回テレビで放送があったので、2作続けて見て予習はバッチリです。イメージ 1
 
あらすじは、公式サイトをご参照ください。
 
今回も、オープニングからボンドは走っていました。がんがん敵を
追い詰めていました。スピードと迫力のあるオープニングのアクシ
ョンに、今回も飛ばしていくんだろうな、という予感。今回はしょっぱ
な、イスタンブールのバザールに突っ込んで大追跡の挙句、連な
る屋根の上をバイクで失踪。「カジノ・ロワイヤル」の時も、J・チェン
か、と突っ込みたくなるほど屋根の上での追跡劇がありましたね。
以前の「007」のシリーズのオープニングは、ボンドが一仕事して逃
げるところを追われて危機一髪・・・あけてロンドンのオフィス、とい
う感じが多かったように思いますが、ダニエル・クレイグになってか
ら、最初からいつもあいてを追っている感があります。イスタンブー
ルのバザール、久々にこんなに多くの逃げ惑う人々のシーンを見
たような気が。
 
ダニエル・クレイグになってから、ずっと続いてきた「007」ではなく、
ボンドが確固たるスパイ「007」に成っていくまでの駆け出し時代が
描かれているのですが、時代だけは現代になっていて、ハイテク機器が出てくるというより、たいていネットが幅を利かせている時代背景となっています。なので、以前のようなマンガのような武器とかは出てきません。ありそうな、武器しかQも与えてくれないし、それでもやっぱりQは「きちんと返却して下さいよ」と言っているのが笑えます。
 
今回の敵は元 M I 6 の優秀なエージェント。恨みを抱いて古巣を脅かす、というありそうな設定です。
 
あまり書いてしまうとこれから見る方の楽しみがなくなってしまうので控えますが、今回のテーマは世代交代とかでしょうか。「年かな」とボンドがつぶやくシーンもあったり、ボンドの過去が明らかになったり、絶対的ボスと思われていたMは引退を迫られているし、と波乱含みです。そしてこの「007」も見事にリニューアルを完成した感があり、めでたく「007」 50周年を飾れた出来になっています。
 
あとは「M」って ? というのも一つのテーマかなと思ってみていました。ダニエル・クレイグのボンドになって、まず驚いたキャスティングがMが女性になったことでしたが、ジュディ・ディンチの流石の貫禄に、女性でも違和感無く見てこれました。私は単純に「M」って Master の M かと思っていました。多分、 M I 6 の中での呼び方として「マスター」とか、そういうことなんだと思うのです。ル・カレの「スマイリー・シリーズ」で「コントロール」と、名前ではなくタイトルで呼ばれていたので、そういうのと一緒だと考えています。
 
そして、今回、Mother の「M」という意味もあるのかな、と思いました。それはたんに母というだけでなく、祖国とか、そういう色々な意味も込めているのかな、と思いながら見ていました。だから、「M」は女性で、しかも年配なんだと。実際、狙われたMを連れてボンドがスコットランドを訪れるシーンでは、息子が老母を連れて故郷に帰ってきたように見えます。そして、M は何だかんだとボンドに苦言を呈しながらも可愛がって、ダメな息子の成長を見守る母のようなところが、「007」のここ3作にはあります。今回の敵である元エージェントのシルヴァも、Mに対して恨みつらみと共に相反する感情ながら母に寄せる愛情のようなものを感じていたのでは。そして、まんなかに M をはさんで、ボンドと M を競うことで物語りは展開していくわけで、シルヴァは M に破滅を与える為、ボンドは M を救う為に、命がけの攻防が繰り広げられていくんです。まるど母の愛を奪い合う兄弟のようです。
 
とにかく、楽しめました。正直言って、「慰めの報酬」はイマイチだったのですが、今作は面白かった。ここから新しい「007」が始まっていくんだろうな、という予感に満ちた作品となっています。
 
アクション満載で、見ていてハラハラドキドキ、手に汗握り、思わず身を乗り出して見入ってしまいます。今年一年の憂さ晴らしにはうってつけの1本です。以前の「007」定番のお色気シーンはものすごく控えめなので、お母さんとも安心して見に行けそうです。スパイもの、アクションものがお好きなお母さんと、お正月に楽しみにいくのもよいかも。