ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

男子厨房に入るべし

先日、仕事帰りの電車の中でのことです。
 
私は、座っていたのですが、上野あたりで小柄な60代と思われる男性が乗り込んできました。その時は、結構社内は空いてきていたのですが、それでも全員が座れるほどでもなく、その方は私の斜め前のつり革の前に立ちました。黒いリュックをしょっていました。
 
その男性、リュックから本を取り出し、リュックはよいしょと網棚へ。さて、楽になったし、本でも読みましょうという感じです。その本はサイズがA4位で、割と薄型です。あらっ、と思いました。それは有元葉子さんのお料理本でした。しかもどこかの図書館のラベルが貼られています。
 
その男性は、料理本にじっと見入っていました。その見方たるや、「うわぁ、うまそうだな」とか「今度、女房に作ってもらおうかな」とかいう感じではなく、「こういう風にするとこうできる」「今度の休みにこれを作ってみるかな」という見方なのです。このおじさんは、自分で作るために熱心にこの料理本を読んでいるのだ、と思いました。
 
電車に乗ってきてから降りるまで、奇しくも同じ駅で降りたのですが、その方はたまたまどこも席が空かずに立ちっぱなしだったのですが、約25分くらい、じぃーと熱心に料理本を読みふけっておりました。
 
素敵です。この方。ここまで熱心に料理本を読みふけれる、その姿勢、その探究心。しかも、図書館で借りているという合理性。きっと、数日後に、その本に出ていた料理が食卓に並んだのでしょう。
 
最近、年配の男性の料理教室がはやっているのだそうです。前日も、今アルバイトに行っている会社のOBの方が、遊びにみえたのですが、「今日は料理教室の帰りなんだよ」と言っていました。
 
料理は、日々の生活の一部でもありますが、いざ始めてみると楽しい家事ですよね。特に男性は、のめりこむ方が多いようですので、楽しさもひとしおなのでは。
 
何を食べるかで生活の質は大きく変わってきますから、奥さんが先に亡くなってしまうと、とたんに残されたご亭主は生活の質が落ちてしまい、その後長く生きられないという説もあります。逆に、長年食事つくりをしてきた女性は、ご亭主が亡くなったとしても、生活の質は変わらない上、ストレスが取れて、その後長生きするのだとか。
 
今や、自分の食卓は自分でどうにかしなくてはならない時代です。もはや「男子厨房に入る」です。そして厨房に入った人ほど、楽しい食生活が待っているはずです。若い男性も、年を取った男性も、恥ずかしがらずに料理を始めるといいと思います。まず自分がおいしい、周りにもおいしい思いをおすそ分けできる、こんないいことはありません。
 
男性の料理人口が増えることを期待いたします。