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「春画展」で日本の大胆さに驚く

春画展」に行って来ました。

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今回の「春画展」は日本で初の試みだそうです。昨年、イギリスを始め、ヨーロッパで大々的な春画展があり、大好評を博して大成功だったようです。そこで、日本でも機は熟したか、とばかりに企画したところ、どこの美術館も引き受けてくれず、やっと引き受けてくれたのが永青文庫という文学館だそうです。
 
永青文庫は初めて伺いました。文学館なので、かなり小ちんまりした洋館です。
 

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さて、日本初の「春画展」ですが、前期と後期で架け替えがあるのはもちろん、前後2期で計4回、別の展示となります。もちろん同じものの展示もあります。
 
私は前期の①の時期に伺いました。
 
作品構成は以下の通りです。
 
プロローグ
Ⅰ. 肉筆の名品
Ⅱ.  版画の傑作
Ⅲ.  豆判の世界
エピローグ
 
春画というと、やはり浮世絵をイメージしますが、肉筆画もあり、各派の絵師も熱筆をふるっています。各派によって、作風もあり、一概に春画と言っても、やんごとなき身分の人用から一般庶民までとかなり多岐にわたっていて面白いものです。
 
一般庶民向けという意味では、浮世絵、版画というのはすごい威力で、やはりこの分野は浮世絵の絵師のものがしっくりきます。
 
春画」と聞いて真っ先に思い浮かべるほど有名な、北斎の女性がたことからんでいる図も出品されていました。これ、結構サイズが小さいなと感じました。まぁ、春画ですから屏風とか襖サイズってのも怖いですよね。こんな図をよく思いついたなと関心します。北斎のイマジネーションはすごい !
 
喜多川歌麿の「歌満くら」の大判錦絵に描かれる、構図の巧妙さ。後姿の女性の白い臀部から太ももに絽の着物なのか透け感まで表現されている。なによりすごいのが、女に顔を寄せる男の冷静な視線。男の顔は女の後姿にさえぎられて見えないものの、わずかに見える目が醒めているのが、なんだか切ない。情を通じていても、夢中なのは女だけなのか。
 
春画は日本のチラリズムを反映させていると思っていたが、それは大間違いで、かなり大胆に局部が描かれている。しかも接合している。こんな絵は西洋画で見たことがなかったなぁ~、とかなり驚きました。確かに、春画は嫁入り時に娘に持たせるという使い方もされたものなので、恥らう構図では役に立たないのだろうな。江戸時代の女性たちは、あっけらかんと性におおらかだったのかもしれないな、と思ったり。大体、江戸時代の銭湯は男女混浴だったし、女性が上半身裸で軒下で作業したり行水したりは日常茶飯事だったわけで、男性は女性の上半身半裸姿なんて見飽きていたことだろう。多分、現代とはドキドキしたりムラムラしたりするポイントが違うのだろうと思うのです。そう思いながら見ていると、日本という国は、本当はもっとおおらかでのどかな国だったのだろうなと思いました。
 
文学館ということもあり、会場が狭く、とにかく混雑していました。そして驚くほど年配者が多い。今まで生きてきて見られなかった春画を見なくては ! と、ばかりに駆けつけてきたようですらあります。
 
春画と言っても目くじら立てるようなものではなく、これはあくまで日本の絵の一ジャンルです。日本画のテクニックを駆使して描かれる愛の営みをこの機会に眺めにいくのも面白い試みだと思います。

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