ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

マンガ「アドルフに告ぐ」

手塚治虫の「アドルフに告ぐ」というマンガを読みました。

「えっ、今さら?」と言う声が聞こえてきそうですが、今迄読む機会が有りませんでした。タイトルは知っていたいました。

先日、図書館のお勧めコーナーでこの本の1巻を見つけ、直ぐに借りました。どうやら4巻まであるようで、とりあえず1巻を読んで、面白かったら予約して全て読もうと思いました。結局、面白くて、最後まで読みました。随分と前に出された作品なのに、今読んでも色あせることがありません。

タイトルのアドルフとは、ドイツ人と日本人のハーフのアドルフ・カウフマン、彼の親友でユダヤ人のアドルフ・カミル、そしてこのお話全体の事態を巻き起こした張本人であるアドルフ・ヒトラーのことです。

タイトルから判る通り、ヒトラーが起こした無謀な戦争、そして日本軍の戦争が描かれます。舞台はドイツと日本の主に神戸です。

更に主人公とも狂言回しともいえる登場人物、峠草平がいます。彼が新聞記者としてベルリン・オリンピックの取材の為にベルリンを訪れた際に、当地に留学していた弟から託された秘密文書を巡り、日本に帰国してからも峠は付け回されます。その文書とはヒトラーの出生の秘密が書かれた物で、角国の情報機関がその文書を入手しようと峠に近づいてきます。更に特高に目をつけられ、命からがら生き延びる峠。

アドルフ・カウフマンの父は表向きはドイツ外務省の高官ですが、実は情報機関の人間で、秘密文書を入手する任務を受けます。アドルフ・カウフマンに何かと良くしてくれるガキ大将のアドルフ・カミルはユダヤ人で、家族でパン屋を営んでいます。

アドルフ・カウフマンはドイツのナチス高官への道が開けている学校にやられ、だんだんとドイツ人としての自分に目覚め、ナチスの思想に傾いて行きます。一方のアドルフ・カミルは、日本人として戦中の銃後を神戸の人々と守っています。

更にもう一人なアドルフは、次々と戦争を拡大し、殺戮に次ぐ殺戮を繰り広げていました。

日本で保管しているヒトラーの出世の秘密を握る文書は、やがてソ連のスパイ、ゾルゲの手に渡ろうとしていました。


とにかく、壮大なお話です。歴史的な事件と作者が作ったフィクションが上手く絡まって、読み応えがあります。3人のアドルフの行く末は、どれも哀しい物ですが、信念や信仰によって起こされる戦争という物を考える機会を与えてくれる作品だと思います。

手塚治虫さんのマンガは有名な作品が多いのですが、私は殆ど読んでいないので、今後、老後の楽しみに読んで行きたいなと思っています。

現代では、マンガを宅配で1ヶ月貸してくれるサービスもありますから、今後、読む時には活用しようかと思っています。

私は学生の頃は、随分とマンガを読んでいたのですが、卒業と共にマンガを読まなくなりました。それでも、たまに、マンガを読むと実に新鮮に感じます。良い作品はマンガでも小説でも、形態は問わずに読みたいと思います。

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