今日は就職アドバイザーさんとの面談で水道橋まで行きました。その後、丸の内まで足を伸ばして、出光美術館で6月10日から始まった「水墨の風」展に行ってきました。
この展覧会、「長谷川等伯と雪舟」というサブタイトルが付いていて、かなり期待していました。
う~ん、ちょっとがっかりしました。「長谷川等伯と雪舟」と謳っている割には2人の作品が少なすぎる。雪舟は小さい作品が1点、「伝 雪舟」という屏風が2点、等伯は屏風が2点です。全体の展示数も39点と少な目。雪舟が影響を受けた玉澗などの中国の水墨画や狩野派の作品、文人画まで一通り展示されていますが、なんだか構成自体もイマイチ。
因みに構成は下記の通り。
第一章 雪舟を創りあげたもの 「破墨山水図」への道
第二章 等伯誕生 水墨表現の展開
第三章 室町水墨の広がり
第四章 近世水墨 狩野派、そして文人画へ
今回の目玉である等伯の「竹鶴図屏風」は初めて見ました。「松林図屏風」に通じるものがあります。「松林図屏風」に私は風を見ますが、こちらの「竹鶴図屏風」には湿度の高い空気が見えます。モワッとした感じ。そんな空気が漂う竹林の中の鶴です。
隣に等伯の「松に鴉・柳に白鷺図屏風」が飾られています。左端ちにいる寒さに首をすくめた白鷺が可愛い。
雪舟の「破墨山水図」はサイズは小さいものの勢いが感じられる作品です。
「伝 雪舟」と言う「四季花鳥図屏風」2点は、なんと色が入っている作品です。「伝 雪舟」ですが、雪舟の作品で色が着いている作品は初めて見ました。なんか、へんな感じです。
狩野派も探幽、松栄、「元信」印、尚信と屏風や巻物でお目にかかれます。「元信」印の「花鳥図屏風」は、どうも元信ではなく、後代の狩野派の誰か別の絵師が描いたのではないかとの事ですが、色々な鳥が描かれていて楽しいです。
一通り色々展示されてはいるのですが、なんだかパッとしない展示会でした。水墨画はもっと色々な絵師も手がけていて、いくらでも展開の仕方はあると思うのですが。ただ、今回の展示は全て出光美術館の所蔵ということで、この小さな美術館は割と物持ちなんだと感心しました。
琳派展を楽しみにしています。