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「熱狂の日」最終日に初体験

丸の内の東京国際フォーラムで開催中の「ラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン ( 熱狂の日 ) 」音楽祭の最終日に行ってきました。
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今日は、今回やっと取れたコンサートがあるので、午前中からいそいそと出かけました。と、言っても、東京国際フォーラムのお向かいのよみうりホール。あれっ、今までこの音楽祭で東京国際フォーラムから出ることってあったっけ ? 今回、地震の影響で規模が縮小されたり、予定していた公演が無くなったりと、色々と変わっているので、でしょうね。
 
ところでよみうりホールって・・・。昔、映画の試写会で行ったことあったよな、大丈夫なのかしら、かなり古い感じだし・・・。などと不安を抱えながら行ったが、あら、ステージと客席が近い感じでむしろ良いのでは。
この公演では、日本人作曲家の望月京さんの新作世界初演インテルメッツィⅣ」、ブラームスの「クラリネットソナタ第1番へ短調」「クラリネット五重奏曲ロ短調」を聴きました。演奏は、ロマン・ギュイヨ ( クラリネット )、エマニュエル・シュトロッセ ( ピアノ ) 、プラジャーク弦楽四重奏団
 
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まず、望月京さんに驚きました。女性、しかも現代音楽の作曲家。人数は少ないでしょうけれど、作曲家って職業の人、いるんですね。しかも女性ですよ。作曲家ってだけでもすごいのに。たいしたものですね。
新曲ですが、頭の方は、なにやら斬新な感じでしたが、途中からクラリネットとピアノの音が、まるで晴れた日に丘の上から町並みを眺めているような、流れる雲を眺めているような、そんな心象風景を抱いて聴いていました。
望月さんのご挨拶で「あとのブラームスの突き出しのような感じで聴いてください」とおっしゃっていましたが、続くブラームスクラリネットの曲が、あぁなるほどメインデッシュね、という感じで聴けました。
ブラームスって、今まで意識して聴いたことが無いかもしれない。いや、きっと知っている曲もあるはずなのですが、今日聴いたのは初めてかも。室内楽と言うのでしょうか、弦楽四重奏クラリネットでこじんまり。でも聴いていて心地はすごくいいのです。派手なところがないんだけれど、心地いい。映画のBGMで使われていそう。ブラームスの作風ってこういう感じだったの ??? ま、とりあえず、心地いい時間をすごせました。それに、カルテットとかだと、よみうりホールの規模は、ぴったりでした。むしろ良かったかも。
 
今回は、昨日出来心で衝動的に購入したコンサートまで時間があるので、今回テーマの5人の音楽家紹介をめぐるスタンプラリーに参加するのと、東京国際フォーラムと丸の内エリアで行われる無料のコンサートをはしごしてすごすことにしました。
スタンプラリー、昨日2件は終えていて、今日3件目から。今回テーマになっているのはブラームス、リスト、マーラーシェーンベルクR・シュトラウスの5人。そうは言っても展示内容に差がありすぎでした。シェーンベルクR・シュトラウスは展示スペースも少なく、パネルでの紹介のみ。マーラーもほぼパネルでの紹介でしたが、直筆の楽譜が展示されていました。そして、マーラーの曲がステレオから流れていました。
ブラームスとリストは充実していて、楽譜の初版や手紙、当時の彼らを題材にしたマンガ、などなど。ブラームスのコーナーでは、当時愛用していたのと同じピアノまで展示され、時間で演奏会まであったようです。待っているのが大変で、移動しちゃいましたけど。
で、スタンプラリーでオリジナル・エコ・バッグがもらえるはずだったのですが、終わってしまったということで特製ブラームス絵葉書をいただきました。髭面で太っちょのおっさんです。若い頃はイケメンだったのには、いささか驚きましたけどね。
でも、面白かったですね。知ってみると、より興味が湧くものです。ブラームスとリストは正反対の感じだけれど、後進を熱心に指導している点や、他の人につくしている点など、両者に共通している点もあって面白い。
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東京国際フォーラムに戻ったとたん、地上広場でピアノの連弾が始まったところでした。その後、酒井茜さんのピアノの演奏。何と言う曲か、分からなかったのですが、熱演でした。
 
さて、私がうっかり間違って購入したコンサートですが、いゃあ、実に面白かったのです。曲はシェーンベルクの「6つのピアノ小品」とダンス付きの「月に憑かれたピエロop.21」です。シェーンベルクを聴くのは初めてかも。「6つのピアノ小品」は斬新というか、実験的というか、息をつめて見守ってしまう感じ。
そして「月に憑かれたピエロ」ですよ、何と言っても !!
舞踏家の勅使河原三郎さんが踊るのですが、すごい !! 初めて観た。あんなすごい肉体表現って観られませんよ。まるで頭の上からマリオネットの糸がついているみたいで、足がきちんと地面についているのかどうかもあやしい。勅使河原さんのダンスというのは、私たちが普通にダンスだと思っているものとは一線を画しています。とにかく素晴らしい。
曲ともすごくあっていて、昨日はダンスなしバージョンの公演だったようなのですが、絶対ダンス付きの方が良いと思います。圧倒的にすごい。アルベール・ジローの詩に曲を付けたのか、その逆か、まるでアングラ演劇を見ているみたい。もっともアングラ演劇自体見たことがないので、イメージです。
 
演奏者にしてみたら、まるで勅使河原さんのバックをやっているような感じになってしまって、良し悪しなのかも知れませんが、とにかく音楽と引き立てあっているというか、面白い舞台を観たという感じです。
この公演は好き嫌いがはっきり分かれるかもしれません。途中で席を立った男性がいましたが、もう我慢も限界という感じで出て行きました。その数分後に終わったのですけれどね。拍手が続いている間にも、ぞろぞろと帰る人々がいて、きっとそういう方たちの胸中は「なんだこりゃ !?」ってところでしょう。私の左隣の年配男性も固まっていたし、拍手もしていませんでした。好きな人にはたまらなかったはずですよ。私は、こういうの好き。堪能いたしました。
 
今回は毎回楽しみにしているロシアの大男のピアノ・コンサートは一つも見られず、オーケストラものも一つも見られずで、その点は残念でした。でも、今まで知らなくて今回初めてという経験をさせていただき、自分の中の好奇心の地図が少し広まったようです。
 
ロシアの大男はボリス・ベレゾフスキーというピアニストなのですが、技巧派なので、今回だったらリストを聴きたかったのです。CD2枚購入して帰宅いたしました。来年も来てくれると良いけれど。来年もこの音楽祭がありますように。
 
地震で規模は縮小されたものの、楽しい音楽祭でした。
 
 
今年のポスター。
  会場の東京国際フォーラムの地上には、色々な食べ物屋さんのワゴンが出展。
   地上広場で熱演中。