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「十三人の刺客」を観ました

昨日27日(金) に、仕事を1時間早引きして、映画の2本立てを見に、高田馬場早稲田松竹に行きました。何を上映していたかというと、「十三人の刺客」と「武士の家計簿」です。どちらも見たかったので、これは行かねば、いざ高田馬場へ、と果し合いではないものの駆けつけました。
 
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十三人の刺客」はリメイク版で、公開当時、長々と繰り広げられる戦闘シーンとバカ殿様役のSMAPの稲垣悟郎の怪演ぶりが話題になっていました。キャスティングも主演の役所広司を初め、大御所の平幹二郎松本幸四郎から若手まで、結構有名な俳優さんが沢山出ています。
 
でもな、う~ん。面白かったんですけどね。でも・・・。なんかイマイチ感がぬぐえない。えーと、十三人って中途半端な人数じゃありませんか? といってしまうと、原作から否定してしまうことになっちゃうのですが、ま、十三人だつたとしましょう。登場人物がだれがだれらやよく分からない多さなんですよ。途中までは、役割分
担があるので、分かるものの、戦闘シーンが長すぎて、途中であの人はどこへいってしまったの ? という感じがある。大体、吉良亭に討ち入るのだって四十七人必要だったのに、参勤交代の行列中、バカ殿様を守る200名だか300名だか対13人って、どう考えても無理があるでしょう。
 
いろいろな大掛かりな仕掛けが作られている村に追い込んでの戦闘なので、大きな柵が動いたり、家が崩れたり、その辺の装置は面白いのです。でも、まるで人きりマラソンに参加した13人のようで、チャンバラ映画というには美しくない。あ、チャンバラ映画じゃないのか。「300」というスパルタの戦士が300名で戦ったテルモピュライの戦いを描いた映画があったけれど、あれを意識してるのでしょうか ?
 
それにしても長い戦闘シーン。途中で飽きました。私は時代劇が好きで結構見ているのだけれど、なんか、日本のチャンバラ系のよさはないですね。そういうのではないんです。NHK大河ドラマでも江戸時代を題材にしたものだと、結構凝ったカメラワークや演出になっているものがありますが、むしろそっちのほうが評価が高いです。
 
長い戦闘シーンにおぉっと思いながらも、コストかかってるよな、とかお話の中でも村買い取ったりしてお金かけているし。あの殿様一人殺るくらいなら、「必殺仕事人」だったら出演者はぐっと減るよな、とか、頼み賃もぐっと安くて済みそうだよな、とか、余分なことをごちゃごちゃと考えていました。しかも、出演者が絞られる分、見せ場はじっくり見せてくれるはずですし。
 
うわさに聞いていた稲垣悟郎のバカ殿様はすごかったですね。稲垣悟郎、悪役いいですよ。なんかすごくさめていて、それが怖いですね。すごく残酷だし、人の心なんて持っていないし、とんでもない奴なんだけど、ここまでひどいと暗殺しがいがあろうというものです。周りが熱い感じの人たちなので、この温度差はこのお話の中の状況をよく表していると思います。
 
私としては、まぁ、面白かったかな、くらいで、見ても見なくてもよいかなという評価です。こんなに大騒ぎの連続の画面なのに、「七人の侍」の方が絶対に完成度が高いよな、と思ってしまうのでした。
 
多分、三池崇史監督とセンスが合わないので、イマイチなんだと思います。あとから、監督ってどういうのを撮っているのかと調べてみたら、だいたいの作風がどうも男性向けのようです。で、この映画もそのようです。でも時代劇に男性向けって、そんなのあるのかしらね。あっ、時代劇の顔をしたバイオレンス・アクション映画か。そう言ってくれれば分かりやすいです。ま、お好きな方はお好きなんでしょうね。