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長倉洋海 写真展「北の島・南の島」を見に行ってきました

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本日、新宿のコニタミノルタプラザへ「長倉洋海 写真展 『北の島・南の島』 」を見に行ってきました。本日は、
長倉さんのトークショーもあるので、そちらも楽しみに。
 
以前、日本橋三越だったかであった写真展でご本人が作品の解説をしてくれる、というイベントに参加したことがあるのですが、その時から比べて、なんと長倉さんは若返って見えました。以前は髭面だったから、老けて見えたのかもしれませんが、以前の方が、なんだか写真家っぽい風貌ではありました。
今回、髭をあたってさっぱり目の長倉さんでした。
トークショーの開始前に作品を見ていたので、お話がわかりやすくて面白かったです。
 
北の島は今回グリーンランドを取材しているとのこと。狩猟民族が直面している問題や温暖化の問題については、他でも取材できるものの、現在グリーンランドのみ犬ぞりに乗れるということで、グリーンランドに行くことに決定したとか。写真に写っている人や犬たちの撮影裏話は楽しく、しかしやはり厳しい現実も内包していて、日本にいては知りえないことばかりです。
 
北の島の写真は、当たり前ですが白い氷に閉ざされた冬景色です。現代版の雪中の狩人といったところです。狩人の生活も大きく変わって、年間に捕獲していい動物の数が決められてしまった為、狩人だけでは生活が成り立たないそうです。そして、原油が出たりしたので、結構お勤めをするイヌイットの人たちもいるそうです。イヌイットといえば、毛皮の衣服を身に着けて猟を生業にしている人々というイメージですが、現代は彼らの生活も大きく変えてしまったようです。
 
南の島は赤道直下のカピンガマランギというところだそうです。なんとここは昔、日本領だったとか。その後アメリカ領になり、現在はミクロネシア連邦だそうです。長倉さんは、学生時代にここを訪れて滞在していたことがあるのだそうです。自給自足の島です。畑で芋を作り、漁に出て魚を釣る生活。この島は温暖化の影響で将来的には沈んでしまうだろうと言われているそうです。現在は、3ヶ月とか6ヶ月に一度しか、この島に船が渡らないのだそうです。38年前に言った時よりアクセスが不便になっているそうです。医者がいないので、病気になると死んでしまう可能性が高いとか。
 
そんな、話だけ聞くと過酷な島ですが、写真で見るとまるで楽園です。海はとても青く美しく、穏やかな波の音が聞こえてきそうです。芋畑の一面の緑。木々の緑。子供たちのはじけるような笑顔。便利な物は何も無いけれど、時間と自然の恵みと人情はあふれるくらいある場所に見えます。
私は、植物の緑が大好きで、特に南国特有の植物の大きな緑の葉にぐっときてしまうので、芋畑の写真とか、もう嬉しくて。
 
それにしても、長倉さんの写真を見ていていつも感じるのは、幸せってなんだろう、ということ。物質的に豊かだからって、それが幸せのバロメーターにはならないのです。物質的にはあまり恵まれているとは思われない、しかも沈んでしまいそうな南の島の人々の笑顔がくったくなく素晴らしいこと。生活の突然の大きな変換を迎えている北の島の人々が模索する幸せとは。戦場や痩せた土地に生きる人の輝く笑顔など、人が見せる一瞬の表情に多くのことが詰め込まれて語りかけてくるようです。
 
会場で写真集も購入できます。あと14日と17日に長倉さんのスライドトークショーがあります。写真を見るだけでも楽しいし、トークショーに参加できれば、なおさらよいと思います。連日のうだるような暑さをしばし忘れられる写真展です。7月20日まで開催です。