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甘い生活を目指しています。

「祭」展 出光美術館

本日、出光美術館で開催中の「祭」展へ行って来ました。
 
東京駅周辺美術館共通券というのがありまして、私は4月に購入しました。東京駅周辺の4つの美術館、三井記念・ブリジストン三菱一号館・出光の4館の入場券で、1月から6月末までの各美術館での展示会に使えます。今回の出光美術館で、めでたく4館目。
 
初めて行った出光美術館は、帝国劇場の隣のビルです。入り口を入るとご案内の方がいて、「美術館ですか」と尋ねられます。ご丁寧な対応でエレベーターに乗せてくれます。9階で降りると、そこが出光美術館
 
さて、今回の「祭」展ですが、祭礼・遊楽図から庶民の生活を見ていくものらしいです。構成は以下の通り。
 
第一章 <祭>の前夜  神が舞い降りる名所
第二章 <祭>が都市をつくる 京都vs江戸
第三章 <祭>の名残り 遊楽の庭園
第四章 遊楽prison  閉ざされた遊び
 
この展覧会は、私は見て回っていて何だかとってもくたびれました。全て日本画です。屏風などの大きな作品が多いです。画風はわびさびとかでは全く無く、金地に描かれたような、キンピカが多いです。そして照明が暗いのです。作品保護の為なのでしょうが、何だか眠くなってしまうほど暗い。
 
祇園祭の様子などが描かれていて、その様子が面白く、大きな屏風を隅々まで見てしまいます。とにかく「祭」ですから描き込まれている人数が多いです。こちょこちょと沢山。当時の装束なども見られ、それもまた楽しい。有名な場所が一遍に描きこまれているものもあり、その場所の賑わいが面白い。作品によっては、タッチがまるでマンガです。
 
今まで見たことがないのですが、浴場で湯女がお客を流している姿が描かれているものや、遊女の宴会など、庶民の生活、それもあまりガラのよくない生活も描かれています。
 
阿国歌舞伎や若衆歌舞伎の賑わいも、同じ演目を演じているところが描かれていて、見比べて見るのも面白いです。歌舞伎を描いたものでは、楽屋でおおわらわで仕度する姿や練習する姿、居眠りする姿と表で演ている姿との対比が鮮やかな作品は楽しいです。
 
今回の展覧会へ行ってみて、「あぁ~、私はこういうのダメだ」ということがとてもよく判りました。何がダメなのか、見ても見てもイマイチ心に響かないのです。私的には珍しいのですが。キンピカがダメなんですかね。でも、琳派は好きですよ。日本美術のことももっと知ったらもっと楽しいだろうな、とは思っています。
 
さて、「祭」展から出ると、陶器の展示室があります。ここはぐっときました。欠けていない状態の茶碗や皿もあるのですが、かけらが展示されていて、それが日本だけでなく、アジアの各国の焼き物のかけらです。万全の状態での展示品では、景徳鎮の大皿や壷もあり、これは素敵。安土桃山時代の茶碗もあり、茶の湯で人気が出た茶碗の原型である茶碗もあります。それを見ると、千利休が考案した茶碗というのが、いかにそれまでから逸脱したものであるかよく判ります。行かれたら、この展示室はお勧めです。
 
ルオーとムンクが展示されている部屋があります。ルオーは一大コレクションらしいです。ムンクは毎年3枚づつオスロにある美術館からお借りしての展示だそうです。叫んでいないムンクは初めて見たかも。
 
あとは、皇居を眺めながらお茶をいただける休憩スペース。給茶器でお茶を汲んで、ゆたりした椅子で頂きます。目の前には皇居の門が見えます。その左側にはお茶室が展示されています。休憩スペースでお茶で一服したら、小さいながらミュージアム・ショップがあるので寄ってみます。出光美術館のコレクションに関するグッズなどもあり、結構楽しいです。
 
今回、初めて出光美術館に行ってみましたが、ここのコレクションはかなりの数があるようです。その中には琳派のものや仙厓のものも沢山あって、ぜひそういうのを拝見したいものです。次回は、その展示の時に伺いたいですね。
 
日本の絵画やお道具類などの美術館のせいか、お客さんの大半が年配の方でした。落ち着いた雰囲気で、確かに和めます。次回、私好みの展示があるといいのですが。