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「オルセー美術館展 印象派の誕生 描くことの自由」でミレーを堪能

ずっと行こうと思っていた「オルセー美術館展 印象派の誕生 描くことの自由」を見るため、本日は六本木の国立新美術館へ行きました。
 
今回の目玉は、マネの「笛を吹く少年」や最晩年の作品、モネの「草上の昼食」といったところでしょうか。印象派の作品を中心に84点が並びます。
 
構成は下記の通り。
 
1章 マネ、新しい絵画
2章 レアリスムの諸相
3章 歴史画
4章 裸体
5章 印象派の風景 田園にて/水辺にて
6章 静物
7章 肖像
8章 近代生活
9章 円熟期のマネ
 
テーマはあくまでも印象派なのですが、私のお目当ては、実はミレーの「晩鐘」です。建て替える前の生家の勉強机の上にこの絵のポスターが額に入って飾られていまして、子供の頃なんとなくいつも見ていた絵だったのです。もしかしたら、私の人生で一番長い間、目にしていた絵かもしれません。なじんでいるというか、そこにあって当然というか。そのオリジナルを見られるので、楽しみにしていました。
 
ミレーは印象派ではないのですが、今回の展示に入っています。印象派の画家たちより、少し前の時代の画家ということなんでしょうが、「バルビゾン派」として有名な画家です。
 
実物の「晩鐘」は思ったより小さい絵でした。サイズは55.5×66cm。そして、ミレーらしく薄明るい光の中の畑の風景。一日の仕事が終わり、夕暮れに鐘がなる中、一心に祈りを捧げている夫婦らしい男女の姿。実りに感謝しているのか、一日無事に労働が出来たことに感謝しているのか、平穏に感謝しているのか、一心に祈っています。この絵を見ていると、教会の鐘の音が聞こえてきそうです。やっぱりミレーはしみじみとしていいなと思いました。
 
マネの「笛を吹く少年」は、この絵から肖像画のバックを描かずに単色で塗るという手法が用いられ、以後の肖像画の主流になったと聞いたことがあります。描き方も、平面的な表現で、バックはグレーです。少年は戦場に向かう兵士たちを誘う鼓笛隊らしいです。この絵は入り口すぐの所で来場者をお出迎えしているように飾られていて、黒山の人だかりで、上半分しか見えませんでした。
 
今回の目玉の一つであるモネの「草上の昼食」の大きさに驚かされます。この絵は2枚に分かれているのですが、本来1枚に描かれていたところ、途中で家賃に困り、かたに持っていかれたのを後ほど取り戻したところ、すでに切られてしまっていたのだとか。「マネの『草上の昼食』をモネが真似したんだって」という声が、会場で聞こえていました。この作品は、私としてはあんまりピンと来ない1枚でした。ただデカイです。
 
モネは、今回の中では、雪景色を描いた「かささぎ」が圧倒的に良いです。寒がりなのに、絵に描かれた雪景色は好きで、今回出ているシスレーの「ルーヴシエンヌの雪」も良かったです。
 
水辺の風景ではセザンヌの「レスタックから望むマルセイユ湾」が気に入りました。田園風景ではルノワールの「イギリス種のナシの木」もルノワールらしくて好きです。これは油彩なのにパステルっぽく見える色彩なのが不思議です。
 
とにかく混んでいまして、じっくり見られません。見た気があまりしなかった展示会でした。これはやはり、手間と時間とお金をかけて、一度パリに行ってオネセー美術館を訪問した方がよさそうです。でも、どこかの美術館に貸し出していたりして、見たい絵がその時あるとは限らないのがネックです。
 
1時間ほどで一通り見られるので、気楽に出かけられます。好みもあるのですが、私としてはもうちょっと、色々見せていただきたかったかな、と思いました。
 

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