ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

「ドグラ・マグラ」 脳髄地獄で身悶える楽しみ

えぇと、ついに読んでしまいました。「これを読む者は一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書」と言われている夢野久作の小説「ドグラ・マグラ」です。

「読む者は一度は精神に異常をきたす」とは、なんともおどろおどろしいキャッチ・コピーだな、と思い、それでも、とんでもない作品で、読み進められなかったら嫌だな、と今迄手つかずでした。ついでに米倉斉加年さんのイラストの表紙が妖しい。

しかし、ま、この機会ですから、図書館で横溝正史の「金田一耕助シリーズ」の上の棚で見つけてしまったので、読んでみました。

どうして今迄これを読まなかったのだろう、と言うほど猛烈に面白い作品でした。

「幻怪、妖麗、グロテスク、エロティシズムの極」とうたった宣伝文句だったようですが、昭和10年の作品とは思えない程、現代的で、少しも古さが感じられません。

構成も入れ子状になっており、作中に色々な形式のお話が差し挟まれてくるのですが、もう色々な形態で、作者が、「こんなのどお?」と差し出している様。それも、自信ありげにです。

一作で幾つものお話を読む作りになっています。一応、ミステリらしいです。しかし、昭和10年に精神医学を扱った作品で、こんなに面白いものが書かれていたとは驚きました。当時の日本の精神医学界は、この小説より遅れていたのでは、た想像致します。

この小説を読んでいない小説好きには、是非とも一読をお勧め致します。本当に面白く、登場人物の正木博士にまんまと引っ掛けられる快感を体験して下さい。

もっと早くに読んでいたかった。しかし、今回読む機会を得て本当に良かったと思います。

さあ、脳髄地獄へ堕ちて快感に身悶えましょう。


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