それで、ホーム内でお茶をご馳走になっていると、お客様が。玄関を入った所から引戸の窓から見えるのですが、丁度外から見える位置に私が座っていまして、挨拶されたようなのですが、誰だか分からないままお茶を飲んでいました。お客様たちは2階へ。
ヘルパーさんが「お知り合いの方らしいですよ」と教えてくれたので、見に行ってみました。
驚きました！ 父の従兄弟2人とその母に当る父の伯母が来ていまして、父の伯母は近々同じホームの2階に入るのだそうです。
父も2階に上げて、ご対面です。父の伯母はきちんと父の事も分かり、私の事も分かりました。
彼女は93歳だそうです。父方の祖母の弟の奥さんです。内臓は悪い所がないそうです。杖をつけば自力で歩けます。2年くらい前に、春の草むしりの帰りにその家の前を通ったら、家の脇の水道でその伯母さんがズック靴を洗っていて、お声がけしたら、「寄っていって」と誘われました。すごくしっかりしているし、シャンとしていました。
その伯母さん、同居の長男夫婦と喧嘩してしまい、長男夫婦を家から追い出した事が数年前にありました。理由は長男が伯母さんにホームに入る事を勧め、家に居たい伯母さんと揉めたらしいのです。伯母さんの言い分としては「自分で建てた家に居るのは当たり前、とやかくいうならそっちが出ていけ」と言うもので、長男夫婦は2年くらい他に家を借りて住んで居ましたが、その後和解して戻った様です。曽孫が産まれたりしておめでたムードだったのかも。
しかし、今回は伯母さんも年貢の納め時の様です。同居の長男は前から病気で、もう伯母さんの世話を実質的に看られなくなり、兄弟にも相談して、伯母さんをホームに入れる事になったのだとか。
見ていて可哀想なくらい伯母さんは泣いていたのですが、周りの元気な入居者さんたちが、「ここは楽しいよ」などと声をかけてくれたり、ヘルパーさんが話を盛り上げてくれたり、また伯母さんにとっては甥に当る私の父と会ったりして、かなり気持ちは和らいだ様です。
今日は入居申し込みだけで、お部屋を整えた後、入居だそうで、帰る頃には、「またね」と皆に手を振るまでになっていました。
あとで、父がボソッと言ったのは「ずいぶん急に年取ったな」でした。父が伯母さん最後に会ったのは10年くらい前なのではと思います。
そして、「絶対イヤ」から「結構楽しそう」に気持ちが傾いた様に見えた伯母さんについては、「気持ちの持ちようが大切」と言っていました。
伯母さんも、もし同じホームに入るなら、楽しく過ごしてもらいたいと思います。
それにしても、世間が狭いと感じました。
