ドラマ「JIN 仁」を見ました。
外出自粛の中、土日に各3時間ずつ3週に渡り放送されまして、計18時間。「レジェンド」の銘打ってあり、もしかしたら再編集されているのかもしれません。
これ、素晴らしいドラマでした。私は放送当時見る機会がなく、何かの折に特番かダイジェストでちらと見ただけで、最初から最後まで見たのは初めてです。これを長い間知らなかったなんて、なんと損をしていたのだろうと思います。
最後まで見て、ああ、これは時空を超えた南方先生と咲さんの愛の話なんだなぁと感じました。それと共に、時代劇であり、医療ものであるという贅沢さ。幕末ものでもあり、江戸時代を舞台にする際の面白い設定がギュッと詰まっています。
幕末は英雄が跋扈した時代ですが、その中でも一番人気の坂本龍馬を持ってくる所も見どころ。時代の寵児、天衣無縫の坂本龍馬と、優しくて真面目で温かい南方先生との友情ももう一つの話の核です。
漫画が原作らしく、残念ながらそちらは読んではいないのですが、ドラマの方はシナリオも凄いと毎回ゾクゾク。毎回、手術や治療のシーンがあるのですが、その描写も医療ものらしく、しかも江戸時代の最先端技術として描かれて、見ていて現代の医療ものの手術シーンにも引けを取らないというか、代替えのお手製の道具での手術にむしろドキドキしました。
このドラマで南方先生を思う2人の女性が出てくるのですが、どちらもいい女だなと唸らされます。武家の娘で南方先生の助手になり医術を目指す咲。吉原一の花魁の野風。どちらも一途で、人の心を解し、ひたむきであり、きっぷが良く、度胸のある女性たちです。その芯が強いのにしなやかさも持ち合わせている様は女性としてお手本にしたいほど。とにかくどちらも良い女なんです。そんな彼女たちに慕われる南方先生は、どれだけ良い男なんだと思いますね。
主演の大沢たかおを始め、坂本龍馬役の内田聖陽、咲役の綾瀬はるか、野風役の中谷美紀、咲の母栄役の麻生祐未、咲の兄恭太郎の小出恵介、と周りを固める面々も演技巧者で固められて見ていて違和感なくスッと見られるのも素晴らしい。子役の喜市役の伊澤柾樹クンの演技も素晴らしく、毎回泣きました。とにかく、出ている人が素晴らしい演技で、このドラマをそれぞれ支えている感じがします。
素晴らしい作品は曲も素晴らしく、手を抜かないのだなと思います。
とにかくどこをとっても褒める以外無いような満点を付けたいようないいドラマでした。
新型コロナウィルス禍の今、このドラマを再放送してくれてありがとう。素晴らしい18時間を頂きました。それと共に、この疫病との戦いの最中、色々と考えさせられました。ドラマのテーマじゃないですが、「神様は乗り越えられない試練は与えない」ですよね。私たちも疫病なんかに負けてはいけない。そして最前線で戦ってくれている医療従事者の方々に感謝を送ります。
いつの時代も、医療従事者の方々は技術と知識だけではなく、患者さんに寄り添い治そうとする熱い心が必要でしょう。
「仁」とは「慈しみの心」のことだそうです。「医は仁術」と言いますが、今の時代、全ての人に「仁術」は必要なのかもしれません。
本当に素晴らしいドラマでした。このドラマに関わった方たち、ありがとうございます。