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ワシントン・ナショナル・ギャラリー展

「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」へ行ってきました。イメージ 1
 
「これを見ずに、印象派は語れない」そうなので、これは見ておかねば、とばかりに出かけました。アメリカって、本国フランスで印象派のコレクションが始まるより前に、コレクションを開始したとかで、とにかく広く色々持っているようなのです。
 
ひとことで言って、印象派をさらっとお勉強するにはいいかな、という感じです。日本でも印象派は人気があるので、今回日本初公開のもの以外の作品を何かの際に既に見たことがある可能性もあります。なんか、これ、前に見たな~、というのがあったり。あとはもう、お好みの画家は人それぞれですから、お好きな画家の作品をじっくり堪能するのが良いですね。正直、印象派初心者、あるいはあまり美術館に行かない人とか、あまり絵画に詳しくない人が、お気に入りの画家なり作品なりを探すのには良いかもしれません。
 
さらっと回ったら、なんと45分で見終わってしまいました。それでも、気に入った作品のところへは、舞い戻ってじっくりみたりしたのですが。印象派はカフェ飯のごとく、胃にもたれないのがいいですよね。
 
今回の展覧会での私のお気に入りは、モネの「日傘の女性 モネ夫人と息子」「ヴェトゥイユの画家の庭」、ルノアールの「踊り子」、カサット「浴女」、ゴッホ「自画像」、シスレーとオーギュスト・クロの「川岸」といったところ。
 
モネの「日傘の女性 モネ夫人と息子」は有名ですよね。暑い夏の日差しに陽炎が立つような陽気、青い空に流れる白い雲、萌える緑、白い服のパラソルをさした女性と帽子を被った少年をまるで土手の下から見上げるような構図で描いています。ここでは二人の顔はぼんやりとしか描かれていないものの、空気の暑さが伝わってきて、青い草の匂いにむせ返りそうです。私はこれは以前何かの時に見ているように思います。でも、この絵は好き。同じくモネの「ヴェトゥイユの画家の庭」は初めて見ました。家に続く小道の両脇に背の高いひまわりがうっそうと生い茂っています。庭仕事をしていたのか遊んでいたのか、子供がふたり、その奥に女性の姿が描かれています。モネ夫人と子供たちでしょうか。なんだか幸せそうな感じの絵です。まるで、画家が一仕事終えて家に帰ったら、その前庭に家族が全員出てきて迎えてくれているような感じです。
 
ルノアールの「踊り子」は、その薄い羽のようなスカートが背景に溶けてしまいそうです。ポーズをとる少女、ちょっと誇らしそうです。かわいくって見ていて幸せな気分にしてくれます。やっぱりルノアールはいいな、と思わず感じてしまいます。
 
カサットの「浴女」は、なんだかちょっと浮世絵っぽくて、また紙に刷られているカラー・ドライポイントという手法がとてもよく合っているようです。色味や構図もさっぱりと、嫌味がまったくなく、部屋に飾りたいくらい。カサットは油彩よりむしろドライポイントの作品の方が気に入りました。今回の見所の一つとして、女性画家の活躍、という視点もあるわけですが、女性画家が台頭してきた背景というのも時代の影響ということでしょうか。
 
ゴッホの「自画像」は何枚もあるのですが、今回出展されているのは青いシャツを着て、バックも青い自画像です。ゴッホの絵というのは、どこにあってもすぐ判るほど強烈ですよね。
 
シスレーと版画家のクロによる「川岸」というカラー・リトグラフは可愛い。これ、一枚欲しいです。
 
日本初公開作品約50点を含む全83点の展示ということですが、印象派をおさらいするにはいい企画展だと思います。印象派は詳しいという方やほとんどの美術展を見ているという方には物足りないかもしれませんね。おしゃれなデートにはいいかもしれません。