「熱狂の日」3日目は、事前に購入していたコンサートが2つ。
ピアニストのボリス・ベレゾフスキーが大好きでして、どちらもベレゾフスキーが出ます。一つ目は、ブリジット・エンゲラーという女性ピアニストとの共演でチャイコフスキー ( ラフマニノフ編 ) 4手ピアノのための「眠りの森の美女」組曲、ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲第1番op.5 「幻想的絵画」の予定だったのですが、エンゲラーさんが病気で入院してしまい、来日できず、エンゲラーさんが出演する予定だった枠を代役で行うことになりました。代役が立てられるというのも、「熱狂の日」ならではだと思います。それだけ多くの一流のピアニストが集結しているから出来ることですよね。
で、今回この枠の代役はクレール・デゼールさんという女性ピアニストでした。曲目も変更がありまして、会場で配られたプログラムは下記の通りです。
2. La nuit...l'amour : Adagio sostenuto
3. Les larmes : Largo di molto
4. Paques : Allegro maestoso
まず、デゼールさんが登場して、スクリャービンを3曲演奏。その後、ベレゾフスキー登場。プログラムでは、メトネルの曲を1曲ということになっているものの、「鐘」以外にも別の曲も演奏したように思います。とにかく素晴らしい演奏で、病欠のエンゲラーさんの穴を埋めようというような気概さえ感じました。
ピアノをもう一台入れて、ラフマニノフの「2台のピアノのための組曲第1番」です。ピアノ2台を向き合うように入れての演奏というのは、今回初めて見ました。テレビでモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」の演奏を見たことはあるものの、実際に見てみると豪華です。
そして欲を言えば、やはりエンゲラーさんとの共演が見たかった。デゼールさんも別に悪くは無かったと思いますが、多分、エンゲラーさんとの方が相性が良いのでしょう。昨年の「ラ・フォルジュルネ」ナントでリストの曲を連弾で弾いている映像を見まして、息がぴったり。見るからに楽しそうです。今回の予定では、「4手」だったり「ピアノ2台」だったりしたので、その状態がまず見たかったですね。
楽器とは不思議なもので、弾き人によって出す音色が違います。ベレゾフスキーが弾いていると、なんだかピアノの方が嬉しくて、どんどん音を繰り出してくるようにすら見えます。ベレゾフスキーという人の演奏も、楽しくて楽しくて仕方が無いという感じです。こんなにお客も喜んでいるし、もっと弾いちゃおうか、という感じです。
エンゲラーさんには是非早く良くなってもらって、是非、次回にでも今回見られなかった「4手」と「ピアノ2台」でのベレゾフスキーとの共演を見せてもらいたいものです。
事務局発表のプログラム変更。
なにやら随分と大雑把です。
プログラムの変更箇所が赤字ですが、
「ほか ( ベレゾフスキー ソロ ) 」とだけ記載。
「任せたから好きにやって」ってことでしょうか。