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「KATAGAMI Style 世界が恋した日本のデザイン」展

三菱一号館美術館で開催中の「KATAGAMI Style  世界が恋した日本のデザイン」展にGW最中に行って来ました。
 
実は、「熱狂の日」音楽祭の最中、購入していた有料公演のスケジュールが6時間間があったので、時間つぶし的にお気軽に行ったのですが、行ってみてビックリ ! 恐るべし、日本の技術 !!
 
だいたい「KATAGAMI Style」って、いったい ?? という感じでした。絹や綿の布を染める際に用いられる伝統的な道具だそうです。展示構成も、
第1章  型紙の世界  日本の型紙と型紙から染められた着物など
第2章から第4章では、日本の型紙から影響を受けた各国のデザインと作品の紹介
第5章  現代のプロダクツへの応用
と言ったものでした。
 
型紙の原型とそれで作った柄の展示では、型紙のあまりの細かい技に驚かされます。職人さんが型紙を作る様子や、その型紙を使って反物を染める工程を紹介したDVDが途中で見られるのですが、驚きました。まず、今まで見たことも無い作業であることと、着物を始めとする布地の柄というのがどういうふうに染められているのかと言うこと自体考えたこともなかったので、小学生のお仕事拝見よろしくじっくりと見入ってしまいました。こうやって着物の柄って染められていたんだ ! ということを始めて知りました。型を作る工程も細かい作業をじっくり繰り返す感じで、まさに職人技です。型が無い場合は、彫刻刀で作るのですが、その彫刻刀自体、ぴったりなのが無ければ作ります。職人魂、って感じです。
 
ただ、こういう職人さんって、現代でもきちんと後継者がいるのでしょうか ? 素晴らしい技術なので、ぜひとも残していって欲しいのですが、とにかく根気がいる仕事なので、成り手が少ないのでは、と不安です。
 
第2章から第4章まではヨーロッパ各国への影響の紹介です。壁紙やファブリックで有名なイギリスやアメリカのメーカーのものも、大元は日本から渡っていった型紙だそうで、オリジナルを洋風味付けしたような壁紙やファブリックが一緒に展示されていて興味深いです。ヨーロッパのすごいところは、型紙を布に染める型として使っているのではなく、商品のポスターのバックの模様なんて可愛いもので、立体のもの、花瓶とかカップや皿とか、家具やアクセサリーなどにも応用している点です。現在も販売されているファブリックのシリーズや食器のシリーズも展示されており、「買いたい」と思ってしまいました。
 
立体のものに、という発想が日本の型紙関係者にはあまり無かったのでしょうか ?  焼き物には印判というのがあるから、きっとそこには型が使われているはずですよね。う~ん、着物の型紙などとは別に、焼き物用のがあるのかもしれませんね。また別物ということでしょうか ? 今回は「型紙」とは「絹や綿の布を染める際に用いられる伝統的な道具」という定義の基に展開されている展覧会なので、焼き物は別のお話ということなのでしょうか。
 
そして、オーストリアで大盛り上がりだった「ユーゲントシュテール」にも影響を与えていて、クリムトの絵の模様にも現れていたりしているそうです。はぁ、そこまで行っていたとは・・・。日本の美的センスとはすさまじいですね。
 
各国の美術品・工芸品・内装・生活用品などをデザインしていた人々を魅了した日本の型紙の魅力・魔力・影響力を存分に見せられた感があります。