8月21日朝、日本人ジャーナリストの山本美香さんがシリア取材中、銃撃戦に巻き込まれて死亡したというニュースが入ってきました。
テレビのニュースで彼女が取材していた映像が流されたり、直前の彼女の様子が流されたりしたのを見て、なんてすごい人だろうと思うと同時に、本当に気の毒です。
命の危険が伴う場所にまで取材に行くという姿勢に、彼女が本気で仕事に向かっていたこと、本物のジャーナリストだったのだということが分かります。映像で見る彼女は明るい感じの方で、ニュースで出た年齢の45歳より10歳くらい若く見えます。本当に熱い思いがあった方なんだなと感じます。
数年前、アメリカのテロとの戦いの際に、やはり取材に行っていたイギリス人だったかの女性ジャーナリストが現場で命を落とすという事件があったと記憶しています。その時も、女性であっても戦場に取材に行って、亡くなってしまう人がいることに、その勇気と仕事に対する姿勢に驚いたのを覚えています。
私たちがニュースで見ている戦闘の映像は、危険な場所であることも省みず取材をしている人々がいるからだということを、茶の間のこちら側は忘れています。命がけの仕事が、こんな時代にもまだあることを、普段私たちは忘れています。福島の原発の後始末に赴いた方たちも命がけの仕事でしたが、その時だけは日本中に報道され注目をあつめますが、私たちはご苦労されている方たち、それも自分のことというよりは世のため人のためのご苦労をされている方たちのことは、すぐに忘れてしまいます。
シリアの情勢も悲惨ですが、その悲惨さを世界に知らしめる為に活動している報道関係の方たちのご尽力も大変なものです。
日本という国は、女性の社会進出が遅れていると常に指摘されます。でも、報道の世界での女性進出を山本さんは、こんな悲しい形で果たしてしまいました。
彼女の後に続く女性ジャーナリストの方たち、もちろん男性も、危険な場所での取材で命を落とさないで下さい。死んでしまっては目指すべき報道もできませんから。
山本美香さんのご冥福をお祈りいたします。
