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妖怪大集合、妖怪好きも大集合「大妖怪展 鬼と妖怪そしてゲゲゲ」

本日、現在東京日本橋三井記念美術館で開催中の「大妖怪展 鬼と妖怪そしてゲゲゲ」を見に行ってきました。
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土曜日なので混んでいるかな、と思って出かけたところ、大盛況でした。今回で、三井記念美術館は3回目ですが、こんなに混んでいたことは初めて。しかも、夏休みのせいか、展示内容のせいか、小学生くらいの子供から来ています。いつもは60代の女性でひしめき合っている感じなのですが、なんだかすごいことです。
 
展示内容ですが、多岐にわたっていると言いますか、たっぷり見たぞという感はあります。水木しげる原画25枚、それ以外が66点の展示です。展示構成は以下の通り。
 
展示室 1・2 浮世絵の妖怪
          ・歌川国芳月岡芳年歌麿など 
展示室3      妖怪フィギア
          ・「外道を調伏する安倍清明
展示室4   鬼と妖怪
          ・鬼神 ( 荒ぶる神の擬人化 )
                    ・天狗と山姥 ( 異界の魔物 )
                    ・怨霊 ( 人間の鬼神化、妖怪化 )
                    ・動物・器物の妖怪 ( 擬人化と妖怪化 )
                    ・百鬼夜行
展示室5   江戸から明治の妖怪
          ・博物学的視点と娯楽的視点
          ・妖怪実録
展示室6   近世近代の妖怪研究 ( パネル展示 )
          ・平田篤胤井上円了柳田国男、江間務
展示室7      現代の妖怪画
          ・ゲゲゲの原画 水木しげるの世界
 
とにかく見所満載です。浮世絵では沢山妖怪画があり、見ていて楽しいです。妖怪フィギュアは原画より立体の方が妖怪がまろやかになつているように見え、なんだか微笑ましい。「鬼と妖怪」のコーナーは上に三井記念美術館のご自慢の能面がずらっと展示され、それを見るだけでもかなりの充実度ですが、その下に絵巻が展示され、そちらも見られます。能面が使われる能のお話と、絵巻物が関連していて、面白い展示です。ただ、物語の概要だったり、巻物の解説だったり、能面の説明だったりで、とにかく説明を読むものが多く、人がずらっと連なり、中々前進していきません。展示室の角に展示されていた河鍋暁斎の屏風の所は人がたまっていて見られなかったので、あとから見に戻りました。
 
この屏風、右側は鬼がお習字をしているところで、それもお習字大会らしく、何匹もの鬼が紙わ広げたり、墨を摺ったり、今まさに書き出そうと筆を構えたりしている様子が怖いと言うよりコミカルに描かれています。左側は「鳥獣戯画」よろしく蛙が色々なことをやっていてこれはまた愛らしい様子です。河鍋暁斎は妖怪画で有名なので、もっと多くの作品の展示があっても良かったかなと思います。
 
百鬼夜行」の巻物が色々なバージョンであって、どれも面白く楽しめます。もっと「百鬼夜行」はおどろおどろしいかと思っていたのですが、コミカルです。日本って国はどこまでもマンガの国なんですね。
 
そして最後のコーナーは「ゲゲゲ」です。「現代の妖怪画」ということで、もはや現代の妖怪博士のような水木しげるさんの原画コーナーで、有名な国芳の骸骨を描いた物に驚く少女を加えた「がしゃどくろ」や北斎の「お岩さん」に驚き逃げる少女を加えた「提灯お岩」というような作品から、有名どころの妖怪を色々描いた物、「ゲゲゲの鬼太郎」の面々が描かれているものなど色々。水木さん自身、すでに91歳の高齢で、未だお元気で活躍中。それも妖怪の御蔭なんでしょうか。水木さん自身が、何だか既に妖怪化しているようなお元気さです。
 
お土産コーナーも今回色々あって見ていて楽しかったです。
 
それにしても、日本人とはこんなにも妖怪好きなんですね。研究コーナーで妖怪と幽霊をどう分けるかなどということが出ていて、「ほう」とうなりました。
 
展覧会は9月1日までです。本当に、学校の夏休みに合わせた様な会期です。今回の展覧会は企画の勝利という感じでしょうか。本当に楽しく、見に来た人は皆にこにこ顔で帰れることと思います。こういうエネルギッシュな展覧会をまたお願いしたいです。
 
私は三井記念美術館はちょっと苦手意識があったのです。日本美術の美術館で、天井が低かったり、巻物を見る時にずっとガラスケースを上から見るので、下ばかり見ているせいか、照明のせいか、高齢のお客さんばかりのムードのせいか、途中で眠くなってしまうことがあったりして、あまり率先して行きたい美術館ではありませんでした。しかし、今回の展覧会で見直しました。
 
三井記念美術館、やるじゃん。