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メルヴィル「白鯨」を読了

遂にメルヴィルの「白鯨」を読了。各社から翻訳が出ていますが、私が読んでいたのは、岩波文庫のもので、八木敏雄さんの訳です。

岩波文庫版の「白鯨」は、上・中・下の3冊本で、上・中巻は約460ページ、下巻は410ページあります。

通常、私は2、3冊同時並行で読んでいるのですが、「白鯨」を読むにあたり、他は脇に置いて、約2ヶ月ひたすら「白鯨」の世界にダイブしていました。

「白鯨」は片脚のエイハブ船長と巨大な白鯨との死闘を描いた作品です。いや、それも確かに描かれているのですが、物語パート以外が非常に大きく、鯨について、捕鯨についてなど、鯨と捕鯨周りの薀蓄てんこ盛りです。それはそれで、知らない事が色々出てくるので興味深く、勉強になります。

最後の白鯨との闘いは迫力があり、手に汗握る大スペクタクルが展開されます。

現在、捕鯨大反対の英語圏の国でも、是非読んで、アメリカを中心とした過去の捕鯨について知り、現在の捕鯨について考える一助にしてもらいたいものです。一頭丸ごと無駄なく使い切ってしまう日本の捕鯨と、主に頭の部分にある油を取る為の西洋の捕鯨では、全く捕鯨に対してのスタンスが違うのが興味深い点です。

読みどころは各所にあり、読む人によって豊かにも退屈にもなる作品かと思います。鯨関係の薀蓄を飛ばしてドラマパートだけ読みのもありでしょうが、薀蓄が楽しいので飛ばしてしまうのは勿体無い。その薀蓄あっての、ラストの展開ですから。

「白鯨」を読んでいる間は、頭の中に常に鯨が泳いでいるような、鯨を追う捕鯨船ピークオッド号が帆を広げて波間を進んでいるような感じでした。

長い作品ですが、面白い読書経験でした。