ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

【2017年読書記録 4~6月】

【2017年読書記録 4~6月】


細雪 (中) (角川文庫)細雪 (中) (角川文庫)感想
中巻は自然災害や姉妹の東京訪問、病気や死、隣家の引越しなど、活動的な末娘妙子を中心に怒涛の展開。外国人の知人たちが日本を去ったりして、軍靴の音が少しずつ大きくなって来た。妙子の恋愛問題や自立の問題が大きく姉妹の胸中を騒がす。雪子の見合いがぱたりとないのも特徴的。洋装で、人形作りをしたり、洋裁で自立しようとしたり、踊りの名取を目指したり、周りの声など聞かないで、どんどん進んで行く妙子に声援を送る中巻。妹たちを心配しながらも振り回されっ放しの幸子のお人好しのところに好感が持てる。続きが楽しみです。
読了日:04月02日 著者:谷崎 潤一郎

細雪 (下) (角川文庫)細雪 (下) (角川文庫)感想
いかにいい結婚をするかで女性の生活、生き方、幸福度まで左右されてしまうという価値観がまだ普通だった時代。逞しい美容院経営の井谷などの職業婦人も出てくるが、落ちぶれたとはいえかつてのお嬢様たちは古い価値観に捕らわれている。それと唯一戦っている様な無頼派の妙子のやりたい放題の生活と身体的苦痛で精算する様な生き方。周りが大騒ぎしていながら、本人の関心の薄さが際立つ雪子の縁談。どちらも庇護されていた子供時代程には幸せには成れないのでは。戦争突入前の日本が見せる最後の煌めきの様な美しさを見せる小説。
読了日:04月14日 著者:谷崎 潤一郎

イケズの構造 (新潮文庫)イケズの構造 (新潮文庫)感想
京都人と言えばイケズ。よそさんである私としては興味深く読んだ。ぶぶ漬け神話が有名だが、イケズとはそんなに奥が深いものだったのか。千年の都でないとただの意地悪。雅の裏にはイヤミ、いやイケズがお供なんですね。面白かったが、よそさんとしては面倒臭いので関わり合いたくないかな〜。
読了日:04月15日 著者:入江 敦彦

不良少女入門―ぼくの愛した少女不良少女入門―ぼくの愛した少女感想
中学〜高校生の頃に、寺山修司さんにはどっぷりでした。昔の部活の先輩に物凄く久しぶりにばったり再会した様な気分で読みました。自由と寂しさが同居したような詩もいいが、映画や女優、探偵のベスト10も楽しい。「ザ・寺山修司」と言うような、寺山氏の好きな事を切り取って紹介した様な一冊。ちょっと背徳的な匂いがするのが、寺山修司らしくて好きだ。
読了日:04月17日 著者:寺山 修司

第一章 四季・奈津子 (集英社文庫)第一章 四季・奈津子 (集英社文庫)感想
谷崎の「細雪」が面白かったので、昭和の4姉妹はどうかしら、と手に取った。五木氏の小説は初めて読んだが、流石に昭和の大ベストセラーだけあってとても面白かった。奈津子はずんずんと進んで行く夏の子の様で、その大胆さ屈託のなさ、ちょっと伝法でありながらも繊細さを持ち合わせていて気持ちがいい。若くて無知で自由になる時間を沢山持っている奈津子がキラキラして、読んでいて楽しい。ケイの夜の様な冷んやりとして理知的で闇の匂いをさせる自由さも素敵だ。このコンビなら大きく羽ばたけそうなラスト。続編の波留子も楽しみ。
読了日:04月22日 著者:五木 寛之

老いと収納 (角川文庫)老いと収納 (角川文庫)感想
「欲と収納」の続編。面白くて一気読み。こんな物を捨てましたというレポート風。今まで捨てられなかったのに、よくぞという程捨てている。それなのにまだ、そんなに捨てた感が無いと言う。現代に生きる私たちはどれだけ物を沢山所有しているか、その大半は無くても困らないはず。中々捨てられない私は、群さんの思い切った捨て方に感心した。老いが物を減らす方向に拍車をかけるとは、今まで気がつかなかったが、仰る通り。私も見習って、身の回りの不用品を処分したい。
読了日:04月24日 著者:群 ようこ

ごはんのことばかり100話とちょっとごはんのことばかり100話とちょっと感想
よしもとばななさんの、普段着な食エッセイ。日常の食について書かれたあれこれ。内容が気負ってないので、読む方もサラッと読める。その中で、世の中のあれこれについてのばななさんの考察に、ソウソウと思わず頷く。なんでもない日々のごはんの積み重ねが、実は人間にとって大切なんだと実感。気取っていない普段着の美味しいものが食べたくなる。
読了日:04月27日 著者:よしもと ばなな

ローマ帽子の秘密 (角川文庫)ローマ帽子の秘密 (角川文庫)感想
国名シリーズ1作目。警視のリチャードと息子で推理作家のエラリーのクイーン親子が劇場で起きた殺人事件の謎に挑む。推理小説というより、警察小説の趣き。劇場での犯行で、とにかく登場人物が多い。失われたシルクハットの謎が鍵だが、シルクハットの作りがよく分からなくて、その辺りの種明かしはちょっと「へー」だった。クイーン親子の掛け合いが面白く、クイーン警視と部下の刑事たちのやり取りもいい。これからおいおいシリーズを読んで行こうと思っています。
読了日:05月08日 著者:エラリー・クイーン

第二章 四季・波留子 (集英社文庫)第二章 四季・波留子 (集英社文庫)感想
長女の波留子が不幸な結婚から開放され、それまで自らの内に抱えていた本当の自分に変態していくお話。前作でおなじみの人物たちが今回はさらに活躍。意外ながらやさしい物語。布由子に誘われての軽井沢、ハワイへの旅が更に波留子を外の世界へと運んでいく。人はいくつになっても生き直せる、やり直すことができるという強いメッセージを感じる。老詩人やお金持ちのラリー、小峰家のいささかくたびれたように見える父親など年配の登場人物たちが魅力的で、年を重ねても恋をしたり前を向いて生きていくことは可能であることを教えてくれる。
読了日:05月13日 著者:五木 寛之

不時着する流星たち不時着する流星たち感想
どれもこれもこの世とあの世の淡いに位置するような不思議な世界観のお話で、つまりそれが小川洋子ワールド。「13人きょうだい」の心優しいおじさんの消え行く後姿に、ああそういうことだったかと驚くとともに涙した。「臨時実験補助員」のシュールな世界、こんな再会は現実にもありそうで背筋が寒くなった。「測量」はおじいさんの感覚世界の縮小にうなづかされ、「肉詰めピーマンとマットレス」の暖かい親子関係にしばし癒される。読後がどれもちょっと物悲しい。そのお話のネタを明かすような後記も興味深い。
読了日:05月13日 著者:小川 洋子

ついに、来た?ついに、来た?感想
介護が始まった人たちのお話の短編集。どの話も巷にあふれていそうで、コメディタッチながらあるある感たっぷり。実際の介護となるともっと大変で気持ちが暗くなるばかりの話がたくさん出てくるだろうから、このくらい明るく、介護問題に目を向けてみるのもいい。
読了日:05月17日 著者:群 ようこ

ぼくの死体をよろしくたのむぼくの死体をよろしくたのむ感想
ずいぶんご無沙汰の作家さん。正直言って、以前読んだ作品よりはるかに面白かった。この人の作品はこんなに面白かったのかと驚いた。淡々としている短編集だが、こちらで出てきた人があちらでも顔をのぞかせているのかしら?タイトルのインパクトはすごく、その話も面白い。こんな状況での会合って、実際にはなかなか無いでしょう。この作家のほかの作品も読んでみたくなった。
読了日:05月19日 著者:川上 弘美

虫娘虫娘感想
他の本の巻末に「ミステリ+恋愛小説」とあったので、読んでみた。この作家さんは初めて。う~ん。思いっきりはずしてしまった感が。登場人物すべてがあまりにも魅力がない。「虫娘」って・・・。その発想も嫌い。ヒロインの死の真相に何か衝撃的な事実があるような持って行き方だが、その真相があまりにもお粗末。
読了日:05月20日 著者:井上 荒野

第三章 四季・布由子 (集英社文庫)第三章 四季・布由子 (集英社文庫)感想
この四季シリーズを通してのヒロインは布由子だと思って読んでいる。で、ついに布由子。長いさなぎの時期を経て、新しい人生に踏み出した布由子の華麗な変身とその軌跡を描く。人生の冬の時期に考察を重ねた結果、年齢より精神的には老成しているようだ。男女間の古い思考パターンを嫌うのは、彼女の精神が大きく開かれて自由だからだろう。奈津子はラテン的な豪放さで自由だが、布由子は理知的なアプローチで自由だ。硬質な魅力がある。大人の色気満載の黒沢が割と出番が少なめで残念。最終巻で4姉妹がコラボするような仕事を始めそうで、楽しみ。
読了日:05月29日 著者:五木 寛之

働かないの―れんげ荘物語働かないの―れんげ荘物語感想
れんげ荘第2弾。登場人物が皆いい人で和む。不動産屋のおじさんがものすごくよい人で、キョウコさんたちの生活も少しは過酷さから逃れたようだ。自分で決めたことだとはいえ、働かない生活というのは、結構現代では難しいのかもしれない。回りがヤイノヤイノ言ったりというのが、一番大変かも。働かない生活はすべて自分で決めて生活しないといけないので、自律心が問われてかえって大変なのでは。とは言え、新しい事にもチャレンジしたり、楽しそうでなにより。次も読みたい。
読了日:05月31日 著者:群 ようこ

猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)感想
一匹の猫に翻弄される男女の話。庄造にとっては2人の妻よりも猫のリリーの方がはるかに大事な存在。ダメ男の庄造は満足に生身の女に太刀打ちできないだろう。猫は人間ではないのでつれなくされても甘えられてもそれだけで嬉しいのがヒトの常で、どう頑張っても人間の女たちは猫には敵わない。二人の女たちがどうにかして庄造の気持ちを惹きつけたいと考えているが、庄造にそれだけの値打ちが果たしてあるか。リリーを手なづけた品子は、当初の目論見と違い、もう庄造の愛情は必要としないかもしれない。隷属とは、いと哀しい。
読了日:06月01日 著者:谷崎 潤一郎

([い]1-7)四季・亜紀子 (ポプラ文庫)([い]1-7)四季・亜紀子 (ポプラ文庫)感想
「ボスホラスには行ったことがない」で始まるエセーニンの詩をベースに描かれた四姉妹の愛と成長の物語。またその時代の関心やムーブメントを切り抜いた小説の最終章。この物語での「ボスホラス」とは各自の理想(郷)のことか。2つの文化の間に位置する土地だけに、過去から新しい自分に変身する物語にぴったりな場所。各自が生きて感じて考えて行動して愛して、それぞれの理想に少しずつ近づいていく過程が描かれている。四姉妹が、自分の人生に真摯に取り組んでいる姿は熱く清々しい。これは現代を生きる女性たちへの応援歌のような作品だ。
読了日:06月08日 著者:五木寛之

おとこのるつぼおとこのるつぼ感想
さすがの群さん、よくぞそんなところを見ているなとニヤニヤしながら感心した。こういう人っているよね~という男たちがオンパレード。楽しく笑わせて頂きました。
読了日:06月13日 著者:群 ようこ


毎日がときめく片づけの魔法毎日がときめく片づけの魔法感想
片付けをしなくてはならず、参考にしようと読んだ。「片づけはマインドが90%」「だいじょうぶ。片づけは、必ず終わります」「片づけとは、あらゆることに片をつけること」「一気に、短期に、完璧に」「片づけ祭り」など、目からうろこの言葉が励ましてくれる。実際に、私は「片づけ祭り」を始めて、現在開催中。今片付けていることに、片がつく日も近い?
読了日:06月19日 著者:近藤麻理恵