ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

岡本太郎展で精神的に大爆発 !

被災地に順次物資も到着しているようですし、福島の原発も勇敢な方たちの尽力でいったん落ち着いているようです。
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今日は元気を出そうと、以前より行こうと決めていた東京国立近代美術館で開催中の「生誕100年 岡本太郎展」へ行ってきました。
 
地震の影響で、いったんお休みしていて、昨日より復活したようです。混んでるかな、まだ地震の影響で人出が少ないかな、と思って出かけました。
大盛況でした。来ているのは、比較的若い方が多かったようです。
 
今回の展覧会は「対決」をキーワードに構成されているそうです。
入ってすぐ、彫刻が12体展示してあります。よく紹介されているので見たこともある作品が早速何体もお出迎え。
このコーナーは「プロローグ:ノン ! 」とされています。既成概念に「 non ! 」と言う「ノン」もあります。さすがにフランスに留学しただけあって「 no 」ではないんですね。
「午後の日」はコニコニした子供のような太陽でしょうか、肘をついて笑っています。70.0×80.5×65.0cmなので結構大きいのですが、これのミニサイズの置物が欲しい。玄関に置いたら、家に帰るのが楽しくなりそうです。この中では一番気に入りました。
 
岡本太郎というアーティストは彫刻のイメージが強かったのですが、絵も沢山描いているのです。続く「ピカソとの対決」「『きれい』な芸術との対決」「岡本太郎との対決」のコーナーは95%以上油彩です。なんというのでしょう、強烈です。色も原色だったり、黒い線だったり、構図も斬新だし、明らかにピカソとは別の方向の抽象を目指しているのが判ります。エネルギーが炸裂しているというか、岡本太郎さんの名言「芸術は爆発だ ! 」とは、まさにこういうことでしょうか。爆発しています。見る者を圧倒します。自宅に飾ったら落ち着かないだろうな。というか、飾る部屋を選ぶよな・・・という強烈な作風。
 
岡本太郎の描く絵に出てくる赤いリボンは何かに対して「 non ! 」という反骨精神の表れなのかしら、と思いながら「傷ましき腕」と「駄々っ子」を見ました。
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「戦争との対決」のコーナーの「明日の神話」のインパクト。今回展示されているのは177.0×1085.0cmでキャンバスに描かれた油彩画ですが、渋谷駅に飾られている方は岡本太郎最大の壁画で5.5×30mです。この壁画はJRと井の頭線をつなぐ渋谷「マークシティ」の2階に展示されていて、これは違和感がなく実にしっくり、あつらえたようです。メキシコのホテルの依頼で描かれて、30年も行方不明になっていたという壁画だったはず。キャンバスに描かれた方も、戦争の悲惨さを余すところなく描いていて、強烈です。でも、これは壁画として見る方が、私は好きです。                                                               
 
「『人類の進歩と調和』との対決」のコーナーは大阪万博のシンボルとなった「太陽の塔」です。私は知らなかったのですが、「太陽の塔」は内部に「生命の樹」という作品を抱えていて、万博当時は内部も見られたのだそうです。その「生命の樹」は下のほうは単細胞生物から始まって、だんだん生物が進化していく様子が立体で示されているのです。塔の株は過去、中部は現在、上部は未来を意味している展示となっているとか。
いや~、びっくり。奥深いですね。私は上っ面だけ見て、それだけでも楽しんでいたのですが。あの塔って形体が面白いと思ってました。なんか、ここでも太郎さんは爆発してます。
 
岡本太郎との対決」のひとつのコーナーで、沢山の目が描かれた絵画に見つめられながら、「坐ることを拒否するいす」三種類に座れます。せっかくなので、全部に座ってみました。四角い目をした椅子は本当に座りづらくて、お尻が痛くなります。でも丸い目をしている二つは、そうでもなくて、あまり拒否されている感じもしないのです。むしろお尻にツボがあるとしたら、刺激されて健康にいいかも、と思ったり。まぁ、特殊な椅子にかけて眺める目が睨んでいる絵画の数々というのも、面白い趣向です。
 
「消費社会との対決」のコーナーでは、生活用品のデザインを数々手がけていて、その紹介となっています。「鳥の夢」というシリーズのティーカップやシュガーポットなど、かわいくて、売っていたら買いたいくらい。ウィスキーの景品の「顔のグラス」も素敵で、復刻して欲しいくらいです。ネクタイや椅子、テーブルのデザインからチョコレートの缶の絵も描いているし、本の装丁の絵も。歌舞伎の衣装や宇宙人のデザインも。こどもの城にある「こどもの樹」の小さいのも展示されていて、とってもかわいい。
 
芸術は爆発だ ! 」という名言で一躍岡本太郎をお茶の間の有名人にしたマクセルのビデオテープのCMやタモリと対談している「今夜は最高 ! 」のシーン、多分同じ番組なのでしょう、タモリとコントまでしている映像も流され、岡本太郎という稀有なアーティストのテレビタレントとしての一面も見られます。
 
そして、岡本太郎名言集、とでもいうようなコーナーがあり、もう、メモしたいくらいグッときます。荷物をすべてロッカーに預けちゃって失敗でした。元気づけてくれる言葉の数々に、皆立ち止まって、一つずつ読んでいました。そのコーナーが最後で、出口なのですが、来場者一人にひとつ太郎さんの名言がいただけるのです。穴に手を入れて三角くじのようなのを引きます。そこに名言が書かれているのですが、私のは「やろうとしないからやれないんだ」と書かれていました。あ~、耳が痛い。おっしゃるとおりです。今の私の状況をズバッと言い切ってる。これを機会にやる気をだします。
 
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色々なグッズが売られているお土産コーナーを眺め、ミュージアムショップも見て ( 今回の展示会関係のものは無いようでした ) 、外に話題の「岡本太郎アートピースコレクション」のガチャガチャを発見。みんなガチャガチャやっています。両替機があるので、両替し、早速、やってみました。種類は8種類。ほしいなと思っていた「坐ることを拒否する椅子」の赤いのと黄色いのが出てきました。嬉しい ! さっそく自宅に飾ります。
全種類出して、美術館の芝生に並べて写真撮影している人もいました。
 
本当に楽しい展覧会でした。岡本太郎という稀代の天才芸術家の仕事
を一通り時代イメージ 3を追って追体験したようです。こういう人が日本から出た、
というのはすごいことです。強烈な個性、フランスで自分の信念と芸術に磨きをかけた経歴、変わった家庭環境、そのどれをとっても、日本という国でとても生き辛かっただろうなと思います。でも、それを創作のばねに、エネルギーにしていたということは無いでしょうか。やはり、この人の基本は「 non ! 」と言う事だったのでしょう。だから、普通の人がくじけてしまいそうなことも、信念を持って貫き通してしまえるのでしょう。岡本太郎という人自身が爆発そのものです。
 
元気が出る展覧会です。このところ、暗いニュースばかりで、どうも落ち込み勝ちもという方はぜひ元気をもらいに行くと良いですよ。元気いっぱいの方も、面白いから行ってみましょう。いい経験ができます。 
 
上から展覧会のポスター。
  ガチャガチャに並ぶ人々。
  ガチャガチャで出てきたアートピース「坐ることを拒否する椅子」。