ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

発掘された物語

3・11の地震で、私の市の図書館は天井が落ちてしまい修理の為、しばらく休館。もう一つ通っている図書館は節電の為、しばらくは平日18時まで。地震の後、何か読むものを、と思っても、こんな感じで図書館が利用できず、頭をかきむしった日がありました。
 
困った、読むものが無い ! 図書館で借りていたのは読み終わって返しちゃったし、どうしよう・・・。私は本の虫で、読むものがないととても不安を感じるのです。で、はたと思い出しました。買ったけど、まだ読み終わっていない本があるではないか !
 
はいっ、有りました、有りました。部屋の隅から発掘しちゃいました。引越しした時も、きちんと持ってきた本です。
読んでないのは何冊かあったのですが、いつ図書館に行けるか分からないので、上下巻の文庫本にしました。
 
すごい、この本、すっごい昔に会社に入っていた本屋さんで買っている ! その本屋さんのブックカバーがかかっていて、シールが貼ってある。その本屋さん、残念ながら、今はもうないんですよ。移転しちゃったのか、店閉めちゃったのか。四谷の上智大学の近くにあった小さいお店だったんですけど。会社では、食堂脇の小さなコーナーでおばさんがやっていて、注文しておくと取り寄せてくれるし、スタッフルームへの配達もしてくれるので、当時よくハヤカワミステリとかSFとか頼んでました。
 
この時発掘しちゃったのは、ジョン・ル・カレの「スクールボーイ閣下」です。この上巻はあと少しで終わりというところまで、一度読んでいて、なんとしおり代わりにその時勤めていた会社の名刺がはさんでありました。きゃ~、懐かしい !! なんか懐かしいことばかり。買ってから読むまで、10年以上たっているし、さらに今回、その時から時間がたっているので、どんなかなと思いながら読み始めました。
 
年を経て同じものを読んでみると、感じ方が違いますね。主人公のジェリーは、一度目に読んだ時はずいぶん親父なのに若い女の子とつきあっちゃって、なんて思ったものの、今回、ふーんくらいにしか感じないし、40代でも男は子供っぽいな、なんて感じたり。
 
そして、このスパイ小説がむちゃくちゃ面白くて、怒涛のごとくに読み終えてしまいました。これ、「スマイリー三部作」なんですって。そして、「スクールボーイ閣下」は二作目なんですって。じゃあ、その前と後を読まなくちゃ。
ちょうど図書館も復活したことだし、借りましたよ「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」。これまたすごく面白くて、一週間で読了。いそいそと図書館に行き「スマイリーと仲間たち」を借りました。で、これまた一週間で読み終わってしまいました。
 
はぁ~、こんなに面白いのに、なぜ買ってすぐに読まなかったのだろう。とにかくすごい。
 
そして、映像化された場合のキャスティングを勝手にしてみたり。主人公のスマイリーは小男で太っていて眼鏡をかけているけれど、すばらしい頭脳の持ち主。以前イギリスでドラマ化された時はアレック・ギネスがやったそうです。うーん、イギリスの演劇界は幅が広いから、誰かスマイリー役にいい役者がいることでしょう。
個人的にはコリン・ファースがビル・ヘイドンって感じかなとか思っているのですが。読んでいて、私はビル・ヘイドンはコリン・ファースをイメージしていたので。
ピーター・ギラムは誰がいいだろう。オリヴァー・レイコンは ? ドビー・エスタヘイスは ? 大女のコニーは ? 宿敵カーラは ? スマイリーの泣き所の妻のアンは ?
などと、考えるだけで楽しい。
 
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あぁ、どうして映画化しないのかな。ル・カレ原作の映画化って結構されているのに・・・。
と思っていたら、なんと「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」が映画化されるそうです。あらら。しかもコリン・ファースも出るらしい。昨日買った「ビッグ・イシュー」で、そんな記事が出ていました。いったい何の役なのか? きっと、ビル・ヘイドンだと思うけれど・・・
 
とにかく、当面ジョン・ル・カレの作品に埋もれそう。そして、なんともタイムリーなことに、映画になる。ル・カレだけでも当分幸せな気分を味わわせてくれそうで今から楽しみ。