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甘い生活を目指しています。

「手塚治虫のブッダ展」

すでに終了してしまいましたが、6月25日(土)に東京国立博物館で開催されていた「手塚治虫ブッダ展」へ行ってきました。突然チケットをいただいたもので。
 
もっとも、初のマンガと仏像のコラボ企画ということで、しかも国立博物館でマンガの展示は初めてということもあり関心はあったのです。でもなかなか忙しくて。
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さて、翌日までのチケットをいただいたので、その足で会場に直行。実は、手塚治虫先生の「ブッダ」というマンガを読んだことはないのです。このたび映画化もされているので、観てみるのもよさそうです。第一、ブッダの一生事態、サラッと一通りしか知らないしな、という感じではあるのです。
 
私は無宗教なんですが、一応家は仏教を信仰していることになっています。と言うのは普段は何も仏教的なことはやらないのですが、お葬式やお盆などはしっかり仏教方式で行うので、かなり薄い仏教です。そして、私は小学生の頃、当時夢中になっていた少女マンガをきちんと読めるように、そのための下準備として旧約・新約聖書ギリシャ神話の子供向けダイジェスト版のような読み物を読んで知識を蓄えました。それなのでキリストの生涯については、一通り知識はあるのです。クリスチャンでもないのに。言い方を替えると、少女時代の私にとっては、仏教はお年寄り向けの宗教といった感があったのかもしれません。詳しく知ろうとさえせずに年をとってしまいました。
 
さて、「ブッダ展」です。手塚治虫先生の生原稿が展示されていました。マンガの原稿というのは、こういうものなのかとまじまじと見ました。そして、読んでしまうのですよ。すごく続きが気になる。あぁ、じっくり読みたい、と思いました。ブッダは母の右わき腹から生まれた王子で、29歳で出家し修行、35歳でブッダとなり、その後は布教活動を行い、80歳で亡くなる、とこんな感じの一生だったでしょうか。
 
ブッダもキリスト同様、不自然な誕生をしているのは初めて知りました。そのシーンのマンガ原稿と対応するようにパキスタンガンダーラの象が飾られているのですが、母マーヤの袖から飛び出していたりします。斬新 !
出家した当時の立像や絶食後の痩せてほほのこけた象などもありました。そして、不思議とどの象もやさしいお顔をしているのです。慈悲をたたえた、というのでしょうか。観ていて心が和む静かな微笑みです。仏像好きの人たちの気持ちがちょっと判った様な気が致しました。
 
そして、今まで知らなかったブッダのエピソードにビックリも致しました。だって母の右わき腹から生まれてくるし、80歳で亡くなったというのも初めて知りました。長生きですよね。キリストって40歳くらいで亡くなっていたように記憶していますが、その約2倍の寿命。悟りを開いてブッダになっのが35歳くらいだから、そこからの布教活動期間はキリストよりはるかに長いですよね。
 
シッダルタがブッダになる際のアドバイザーのような役回りのブラフマンというのがインドの神様だというのも、おぉ ! という感じでした。小川洋子さんの「ブラフマンの埋葬」という小説に出てくる、何だかわからない小動物の名前がブラフマンで、いったいブラフマンという名前はどこから出てきたのか気になってはいたのですが、なんとインドの神様だったとは ! ブラフマンは宇宙の源らしいです。それを知ってもう一度この小説も読んでみたいです。
 
会場は若い人からお年寄りまでおりました。やはりマンガとのコラボという点でマンガ・ファン、手塚ファン、「ブッダ」ファンも相当足を運んだのではないかと思います。年配の方の姿が見られるのは仏像に惹かれて、ということでしょうか。
 
1時間くらいでドンドン見られる量で、あまり博物館などに普段来ない人にも負担にならないボリュームだと思いました。逆に、行きつけている人にはちょっと物足りないというか、もう一工夫ほしかったなというところ。グッズ・コーナーもあまり充実している感がありませんでした。ちょっと残念。
 
ブッダ展」の後は、常設の仏像をせっかく来たのだからと眺めて帰ってきました。何だか仏像三昧の博物館の一日でした。