ama-ama Life

甘い生活を目指しています。

「ホノルル美術館所蔵 北斎展」 in 三井記念美術館

前々から行こう行こうと思っていた「北斎展」へ本日行ってきました。日本橋三井記念美術館で開催中です。
 
イメージ 1
三井記念美術館は今回初めて行きました。明治時代に建てたのでしょうか、クラシックな建物の中にある美術館で、規模は事前にサイトでチェックしていたより小さく感じられました。小さいながらも返金式コインロッカーとミュージアムグッズのショップとカフェが入っています。スタッフの方も感じのよい美術館です。
 
さて、今回の「北斎展」ですが、ホノルル美術館所蔵による「葛飾北斎生誕250周年記念 特別展」です。日本の美術品の展示は前期・後期があるのですが、うっかり前期に行きそびれてしまい、今回後期のみ拝見することになりました。
 
富嶽三十六景」が後期だけでも22枚見られます。あとはまぁ色々と展示がありまして、「北斎漫画」も見られます。今回初出品という「富士見西行図」や肉筆の作品の出展もあります。
 
今回私がいいなと思ったのは「富士見西行図」と「游亀」。「富士見西行図」は縦長の画面で旅の途中のの西行が富士山を振り返って見ているところなのですが、富士山自体は山の斜面しか描かれていないのですが、西行の表情や身振りでなにやらすごいものを見ている感が伝わってきます。「游亀」は亀が3匹泳いでいる図なのですが、一つは裏側から、もう一つは甲羅の側から描かれていて、最後の一つは海草が尻尾のように着いた長寿を表すめでたい亀になっています。しかも、光の加減も描かれているところがおみごと。
 
北斎は好きで、展覧会がある都度行っているので、有名どころの作品はほとんど見ているのです。でも「琉球八景」というのは初めて見たように思います。北斎ってあちこち旅をしていたので、もしや琉球にも行ったのかしら ? と思っていたら、なんと想像で描いたのだそうです。琉球紀行のようなものを元にしているらしいのですが、とっても上手。しかも、そのうち何枚かには富士山が書き加えられていて、「北斎です」と言っているようです。
 
今まで気づかなかったのですが、なんだか私の大好きなブリューゲルに通じるような構図が結構あって、だから好きなのかしら、と思ったり。北斎の「富嶽三十六景」や「諸国瀧廻り」などに出てくる広大な風景の中にちまちまと描かれた人の有様がなんとも可愛くて好きなのです。自然の猛威の中では人なんて、ちっぽけなものなのだ、と感じさせられます。その辺りがブリューゲルと共通するというか、きっと私にはダイレクトに響く何かなんだと思います。
 
それにしても北斎という人は、晩年の活躍がすごいですね。例によって年表が出ていましたが、20歳から40歳くらいまでは、あまりぱっとしない感じです。ところが、50歳頃から活躍が見られ、70歳を超えて大活躍です。長生きするのは大切だな、と思いますね。ダ・ヴィンチミケランジェロも長生きでしたものね。
 
ハワイの「ホノルル美術館」は、結構色々所蔵しているようで、あなどれないな、という気がしています。数年前にハワイに行った時も、初ハワイでとても美術館まで気が回らず、訪問していないのですが、次回ハワイに行く機会があったら、絶対訪ねたい美術館です。
 
今回の美術展は、正直言って、ちょっと小ぢんまりし過ぎです。なんか観た感がないというか、点数が少ないからなのか、私としてはもっと見せて欲しかったですね。ただ、都会の中で小一時間、「ちょっと美術に触れてみようか」という場合にはいいと思います。平日であったこともあり、のんびりじっくり観られたのは良かったです。年配の方が多くて、グループで来ていたりすると一つの所でお団子状になってしまっているのは、ちょっといただけませんでしたが。
 
「気楽に北斎を知りたい」という向きには手ごろな展示会だと思います。