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マイケル・サンデル教授の特別講義

本日、東京国際フォーラムで開催それた、マイケル・サンデル教授の特別講義へ参加してきました。イメージ 1
 
東京国際フォーラムAホールは5000人が入るホールです。今回、一般公募でのご招待イベントでしたが、東京国際フォーラムの方のご挨拶によると倍の応募があったのだとか。19:00~22:00の予定でしたが、終わったら22:30でした。
 
今回のイベントは第16回ハヤカワ国際フォーラム/東京国際フォーラム開館15周年記念事業だったようです。なので、最初にハヤカワ書房と東京国際フォーラムの偉い方のご挨拶がありました。
 
さて、今回のテーマは「ここから、はじまる 民主主義の逆襲」というものでした。事前に配られていたリーフレットが表が赤、内側が白地です。それをサンデル教授が出した命題に従って、賛成・反対で掲げます。5000人全員が出すわけです。会場の大きな2台のスクリーンでは、舞台上のサンデル教授や意見を述べる開場の人は映し出されますが、赤・白どんな状況か写しだされず、その点が残念でした。
 
色々なテーマでディベートが行われました。お金の話、震災で出た瓦礫を受け入れるか否か、原発を稼動させるか否か、などなど、現在の日本で毎日ニュースになり人々がなんとなく話しているようなあれこれの事実がテーマとして揚げられます。色々な意見が出ました。そういう視点があったか、と考えさせられる意見もあれば、論点がずれている意見も。でもどれも、その人それぞれの意見です。
 
開場の人が参加する形式ですが、活発な議論なんて日本人にできるのかしら、と思っていましたが、杞憂に終わりました。今の日本人って、結構発言するのですね。NHKで放送していたサンデル教授の「白熱教室」が面白くて、それを真似した日本人学生が参加する番組がありましたが、発言しないし意見が稚拙でとてもつまらなく、見るのを止めた経緯があるので、ちょっと驚きました。しかも、今回発言した人の大半は英語で意見を述べていました。若い人に英語が堪能な方が多かったように思います。日本の若い層も捨てたものではないのかもしれませんね。ただ、英語がしゃべれたとしても、肝心なのは意見の内容なんですけどね。今回、同時通訳付きで、機械を各自利用できたので、余計述べる内容が大切だと感じさせられます。
 
サンデル教授は、上手に開場の意見を扱って、有意義な議論の場を作っていきます。サンデル教授の講義は、テーマについて正しい・正しくないを決めるのではなく、どちらの意見も尊重して、議論をする場を提供するというものです。そうすることで、参加者自らが考えなくてはならない状況を作っていきます。この方法は有意義で、毎日聞かされているニュースや事件・出来事を自らのうちに取り込んで自らの問題として考えてみることで、それまでの受身の態度と異なり能動的にその出来事に関わっていくことになります。行動することは大切、でもその前に考えることは更に大切だと思います。それを自然にさせてくれる装置としての講義です。
 
こういう機会は面白いですね。私は、実はディベート大好き。今の学校教育がどうなのか、現場に居ないのでよく判りませんが、私が学生だった頃、ディベートなんてありませんでした。サンデル教授が行っている議論する講義なんてものもありませんでした。そういう意味では今の学生は恵まれていると思います。日本人にはこういう講義がもっと必要です。
 
議論するというのは、その意見を言った人の好き嫌いとかではなく、その意見を一つの独立したものと捉えて、それに対してどう考えるかというものだと思います。日本人の多くが、意見と意見を述べた人を同一視、好き嫌いで判断している会議を沢山していることと思われますが、それはナンセンス。日本では、誰かが反対意見を述べたりすると、その人のことが嫌いになってしまったり疎遠になったりということがよくありますが、あまりにも感情的すぎます。意見は意見、人は人、ということをきちんと理解することが大切です。日本には議論することを学ぶ授業が不可欠なのでは、と思います。
 
充実した時間を共有できて素晴らしかったです。サンデル教授に、そして議論の場に居た全ての方々に、企画し開催してくれたスポンサーさんに感謝感謝のイベントでした。