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「印象派を超えて 点描の画家たち」・・・点々を見る展覧会

先日の3連休の最終日、美術展をはしごしました。2つ目に行ったのは、国立新美術館で開催中の「印象派を超えて 点描の画家たち」です。「ゴッホ、スーラからモンドリアンまで」ということで、そのあたりの画家の作品がならんでいるのね、ということは分かります。
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ゴッホの「種まく人」が出るというので、とりあえず行ってみたという感じなのですが、3連休の最終日だったせいか、それとも人気がないのか、とてもすいていました。こんなに国立新美術館がすいているのもめずらしいな、というくらい。
 
この展覧会はまさに点描の画家の作品を集めたものでした。点描って・・・そう、点々です。印象派関連の展覧会に行くと、決まって何枚かは点描画が並んでいます。とくに関心がなかったので、割とスッと見ていました。それが今回、これでもかこれでもかと並んでいるわけです。
 
そして、今回じっくり向かい合ってみると、点描の技法というのはなかなか科学的な理論を踏まえて描かれているものであり、驚きに満ちていました。総体的に色が明るく、見ていて心が軽くなるような風景画が多いように感じました。
 
最初に紹介されている印象派のモネ、シスレーピサロあたりは点描であっても、どちらかというと点描であることをあまり感じさせません。
 
次のコーナーのスーラとシニャックになると、分割主義の誕生と展開が追われ、徹底的に点々になってきます。近くで見ているとただの点々ですが、離れてみると何が描かれているかが浮き上がるような作品です。点の色を何色と何色を並べるかで、がらっと変わってきます。
 
3つ目のコーナーは「ゴッホと分割主義」ということで、いよいよゴッホです。ゴッホによるまさに点描画といえる「レストランの内部」。細かい点をいくつも忍耐強く描いていく手法は、手早く一気に描きあげるゴッホの性格に会わなかったらしく、点がかなり大きくなり筆の平たい面で絵の具を重ねたような描き方の「種まく人」。この作品は、遠くになっている部分の点は細かく描かれています。それに続く「麦束のある月の出の風景」や1887年に描かれた「自画像」を見ると、点描という手法を得て、そこから独自の表現方法になっていって、渦を巻くような表現になっていったのだろうなと見て取れます。
 
その次はベルギーとオランダの分割主義の画家の作品の紹介、そして最後はモンドリアンにまで行き着いてしまいました。
 
今回の作品のほとんどは、オランダのクレラー・ミュラー美術館所蔵だそうで、この美術館はゴッホのコレクションで有名なのだそうです。計93点の展示ですが、1時間あれば見て回れます。すいているのでどんどん見られるという利点もあります。そして、意外にも、全体的に色が明るい作品が多いせいか、気持ちが軽やかになります。
 
形体を見るのではなく、色を見るのだなと思います。絵を見る時、ついついその描かれている形を見ていますが、点描は色の集合体を見ることになるので、絵画の持つ別の側面から、絵画にアプローチする方法だなと思いました。
 
今年は、たまたま色に注目するような展覧会によく行っているように感じています。色を見るのも、絵画を見る楽しみの一つだと思いました。