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軽やかながら満足度が高い「コートールド美術館展」

今日はもうすぐ終わりになる「コートールド美術館」展へ行ってきました。久々の上野、久々の美術展です。

 

イギリスにあるコートールド美術館は国の美術研究所としての役割を持っているとかで、現在回収中。そこでごっそり作品を貸し出したらしいです。この美術館はレイヨン産業で財を成したコートールドさんが10年足らずで集めたコレクションが元になっていて、当時、まだ評価が低かった印象派の作品もこれから評価が高まると見込んでコレクションをし、イギリスにおける印象派のコレクションとしてはかなりの物らしいです。

今回、マネのキャバレーのバーメイドを描いた「 フォリー・ヴェルジェールのバー 」が注目作品です。マネ意外にも、セザンヌが好きだったそうで、結構な数を所有しているとか。もちもん、モネもドガもと「印象派」の代表選手のものは網羅。後期印象派も興味があったらしく、ゴッホゴーギャン、スーラも。ロダンドガの彫塑もありました。

 

構成は以下の通り。

1  画家の言葉から読み解く

2  時代背景から読み解く

3  素材・技法から読み解く

資料

 

絵画、彫塑60点、資料24点。お土産コーナー込みで1時間30分もあれば回れます。

 

今回、私が楽しみにしていたのはゴッホの「花咲く桃の木々」です。ゴッホの作品にしては穏やかな風景画で、白っぽい桃の花が咲いている田舎の春。ゴッホもこういうの、描くのね、とほのぼの。

出展されているとは知らなかったものの、見つけて嬉しくてニヤニヤしたのがアンリ・ルソーの「税関」。ベターっとした均一な緑の芝生、税関の職員が立つ門、風景画と言うよりはファンタジー色が強く、絵本や何かの挿絵の様で、美しい。ルソーは非現実感が堪らなく好きです。

ゴーガンはイマイチ好きではないのですが、今回見た「テ・レリオア」はいい。ムワッとした熱帯の暑さを避ける様な風通しのいい小谷で、半裸の女が思索に耽っています。向こうを向いた女、眠る子供、壁のレリーフ、道を行くロバの男、何かが起きようとしているのか、誰かの夢の中なのか、不思議なムードの作品。ゴーガンはドッシリとした土着の女たちを描く画家ながら、その土臭さがこの作品では上手い具合に溶け合って、効果を上げている様に見えます。「ネヴァーモア」も良いけれど、「テ・レリオア」はもっと良いです。

モネの「秋の効果、アルジャントゥイユ」は素敵な色が特徴的。

 

今回、話題の「フォリー・ベルジェールのバー」は、物凄い人だかりで、作品の上の方しか見えません。実は、この作品、私は見るのは2度目です。数年前、何かの展示会で来ていて見た覚えがあります。その時はこんなに注目されていなかったので、じっくりと見ることが出来ました。私はこの絵はそんなに興味を惹かれません。裏話を聞くと、へーっ、とは思いますけどね。

マネは「草上の昼食」もあり、おやおやと思って解説を読むと、オルセー美術館にあるバージョンの前に描かれたものだとか。2つあったとは知りませんでした。オルセー美術館版の方が完成度が高い様に感じました。

ルノワールの「桟敷席」も、物凄い人だかりでした。白黒ストライプのドレスを着た女性と、その後ろに双眼鏡を目に当てた男性が桟敷席に居る様子を描いたもので、当時の流行や世相を伺える作品です。

セザンヌは「大きな松のあるサント・ヴィクトワール山」が、やっぱり良いです。いくつものセザンヌの風景画、コレクターはセザンヌ好きだったんだなとつくづくと感じます。

 

正直、あまり期待していなかったのですが、楽しかったです。肩が凝らずに色々見られて満足度は高い展示会でした。

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