製作発表では、萩尾望都さんの代表作の一つで大ベストセラーの「ポーの一族」というマンガの世界観を素に、吸血鬼である主人公が殺人事件解決に密かに動くというストーリーだそうで、SMAPの香取慎吾さんが主演とのことでした。
なぜ、今頃「ポーの一族」なの ? しかも、日本を舞台に香取慎吾主演って、いったいどういうドラマなんだろう ? と、言うか、大丈夫なのか ? あの世界観はきちんと描けるのか ? 正直言って、かなり不安でした。
でも、怖いもの見たさというか、楽しみに見ました。
なるほど、世界観をドド~ンと持ってきたわけですね。そして、設定がオリジナルのあちこちの話からつぎはぎのようにもって来られている。更に、セリフも昔、マンガで読んだよな~と言うセリフがあちこちにちりばめられているのでした。
ドラマ自体のテーマは「死と忘却」なのか、ひたすら起こってしまったどうにもならない事を忘れるように勧めるシーンが出てきました。フラれて自殺を図る女性も、相手に一生自分を忘れなくさせる為に行為に及びます。物理的な死ではなく、忘れられてしまうことが本当の意味の死であると言っているようです。
結構、見られました。殺人事件解決に関しては、ものすごく簡単に解決してしまうので、もっとひねりがあれば良かったかなと思います。いつもの刑事ものとは違って、ムードは万点で、音楽も合っていたし、古書店の内部がまるで外観と違って、シックな洋室なのも良かったです。
主人公と一緒に行動している女の子の役の女優さんも妙に合っていたし、キャスティングも良かったと思いました。
なんでもトライしてみるものだな、と思いますね。ただ、サブ・タイトルが良くなくて、「バケモノが事件を~」みたいなのは、ちょっと勘弁してもらいたいですね。総体的には楽しめるドラマでした。
オリジナルのマンガ「ポーの一族」が無性に読みたくなりました。今度、帰省したら一気読みしようかしら。とにかく、名作は永遠です。