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琳派の正統派から斬新な画風まで 「KIITSU 鈴木其一 江戸琳派の旗手」展

本日はサントリー美術館で開催中の「鈴木其一」展に行きました。

展示変えがあり4期の2期の本日は86点の作品が見られます。一部、師匠の酒井抱一の作品や、兄弟弟子の作品、自身の息子やお弟子さんの作品の展示もありますが、8割から9割は鈴木其一の作品です。

酒井抱一の一番弟子だった若い頃の作品は、師匠によく似ていますが、師匠亡き後の実験的な作品まで、琳派色よ濃い作品から薄い作品まで、「江戸琳派」を発展させた其一の画業を一望できます。

特に、12年ぶりの里帰りとなる「朝顔図屏風」は圧巻です。金地に鮮やかな青紫の大輪の朝顔がこれでもかと咲き誇っています。緑色の葉と踊るようにうねる蔓。それだけをポンと描いている斬新さ。こんなに豪華な朝顔はみた事がありません。

「夏秋渓流図屏風」には度肝を抜かれました。一言で言うと、ヘン。色遣いの独自性と毒々しさ、斬新さ。そして美しい。濃い青色に描かれた波の模様や、濃い緑の葉を縁取る金色だったり、ゴーギャンタヒチの絵のようにすら感じられる程、斬新。一見の価値ありです。「群鶴図屏風」の清々しさ、同じ「群鶴図」でも、若冲に比べるとのんびりした感がありです。美しい上、のんびりのびのびした感じの鶴たち。そして「風神雷神図襖」も展示。宗達光琳・抱一の金地の屏風に比べ、墨の雲を蹴散らせて参上した風神・雷神は、白地の襖に墨が映え、8面の襖いっぱいに大暴れしていながら、その部屋に居る人間の邪魔にならない感じです。

今まで、其一は、掛軸サイズのものを沢山みましたが、小さいものから大きなものまで見られるのも楽しいです。

表装にまで絵を描いた掛軸は、すごく好きです。個人蔵の「秋草に月図」は、半月の上だけ描かれ、青い花と白い花が全面に、表装の部分にはススキが金色で描かれています。更にデザインの様にあしらわれたウサギが可愛い。かなり大きな絵で、仏間に飾れる様に描かれたものの様です。

大きな作品が、私は気に入ったのですが、掛軸サイズでは「朴に尾長鶏図」は好きです。

約90展近くを見て1時間30分もあれば回れます。もっと混んでいると覚悟して出かけたのですが、空いていて見やすかったです。

鈴木其一は琳派としては知名度がイマイチなのでしょうか? もっと知られても良いと思います。

気軽に出かけてゆったり見られる、穴場の様な展示会です。

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