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抱一の銀地に浮かぶ梅を見る「江戸の琳派芸術」展

6日(金)に、水道橋に行ったついでに東京丸の内に足を伸ばしました。現在、出光美術館で開催中の「江戸の琳派芸術」を見てきました。

平日だというのに、会場は結構混んでいました。そして、今まで知らなかったのですが、出光美術館は金曜日は19時まで開館しています。以前は17時で閉まっていたような。

さて、琳派でした。

今回の展示の構成は以下の通り。

1 光琳へのまなざし  < 江戸琳派 > が < 琳派 > であること
2 < 江戸琳派 > の自我  光琳へのあこがれ、琳派風からの脱却
3 曲輪の絵画  < 江戸琳派 > の原点
4 < 琳派 > を結ぶ花  立葵図にみる流派の系譜
5 師弟の対話  抱一と其一の芸術
参考作品

展示数としては36(うち架け替えありが1点)と参考が5点。行った時に見られたのが計40点です。

あまり展示数がないので、わりとチョロッと見られます。

私が一番気に入ったのが、入ってすぐの部屋に展示されている酒井抱一の「紅白梅図屏風」で、その手前に展示されている伝 尾形光琳紅白梅図屏風」と並んでいます。伝 尾形光琳の屏風が金地なのに対して、抱一の方は銀地に紅白の梅がすっくと、というかうねうねとというか存在感たっぷりにたたずんで花を咲かせています。この銀地の梅の屏風は美しい。金地の派手さはないものの、月光の下にあるようなすがすがしさを感じます。金地の光琳に対して、抱一は銀地で呼応しているかのようです。

抱一の銀地の屏風と言えば、光琳の「風神雷神図屏風」の裏に描かれた「夏秋草図屏風」がありますが、その草稿も出展されています。草稿のため、銀地ではないものの、夏秋草の色合いや構図など、枯れた感じがこれはこれで美しい。抱一の「風神雷神図屏風」も展示されています。光琳の「風神雷神図屏風」と対応するように描かれた「夏秋草図屏風」を重ねたところが解説で見られます。

抱一の「十二ヶ月花鳥図貼付屏風」は、十二ヶ月の花と鳥や虫との組み合わせで、季節感があり、好みの一枚を探す楽しみがあります。

抱一の「青楓朱楓図屏風」は山だか丘だかの描き方が「松島図屏風」の様な緑色で、まるで抽象画の様な趣きがあり、片面が緑色の楓、もう片面が真っ赤な楓が描かれているのですが、楓の形はどちらも同じ。琳派らしいなと感じさせます。

鈴木其一の作品では、「秋草図屏風」が、枯れた華やかさがあり面白かったです。「桜・楓図屏風」はどちらも全体を描かず、楓・桜の一部だけで全体を感じさせます。

全てが見所やお勧めではありませんが、何点かは見ておいても損は無い作品が展示されています。「江戸琳派」と言えばそうなのですが、抱一と其一だけなので、もう少し他の画家の作品も展示して膨らませるか、タイトルを「江戸琳派 抱一と其一」にしたら良かったのではと思います。

今回の展示に際して、「江戸琳派」の説明があり、抱一について「江戸っ子の気質」とあったようなのですが、私は抱一に江戸っ子気質を見る事が出来ません。抱一と言う人の出自を考えると、江戸っ子と言うより「若様」。確か大名の家に生まれた人でしたよね。コネとお金があったんだろうな、それで尾形光琳の作品を実際に間近に見たりしたのでは、と推測します。江戸っ子と言うより、お武家様の道楽が巨大化した様な感じを受けるのです。江戸っ子の気風の良さと言うより、がつがつしていない感じを受けます。

それにしても、琳派、多くの人がやっぱり好きなんだなと思いました。

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