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酒井抱一の「八ツ橋図屏風」を見に、出光美術館へ

今日は、酒井抱一の「八ツ橋図屏風」が見たくて、出光美術館で開催中の「日本絵画の魅惑」展の後期を見に行ってきました。
 

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この展覧会は前期に酒井抱一の「風神雷神図屏風」を見に行った際に、後期に来場の際の割引券をいただいていて、後期は半額で見られるので、気軽に出かけました。
 
気分的には、酒井抱一の「八ツ橋図屏風」さえ見られればいいか、という感じで出かけました。昨日、たまたま見た「美の巨人たち」というテレビ番組で、酒井抱一の「八ツ橋図屏風」が取り上げられていて、その驚きのテクニックに迫るものでした。はぁ~、知らなかった、この絵にそんな秘密があったとは。私はてっきり、尾形光琳の「八ツ橋図屏風」の模写ぐらいに思っていました。でも、色が違うんだよな・・・くらいに。
 
正直言って、実物の大きさにまずびっくりしました。でかい !! サイズは161.6cm×397.8cmとかなり大きいので置く場所が広くないとダメです。色は、印刷物ではずいぶん葉の色が淡いなと思っていたのですが、実物の方が色が濃いです。尾形光琳の葉の色が1色で濃い緑色なのに対して、抱一の方は濃い竹色とでも言うような緑色で葉の裏側はそれより白が加わったような緑色です。印刷物よりずっとバランスが取れていて、良いです。そして、花のふっくらしたビロードのような見た目の鮮やかさ。下に先に墨を塗って、乾かした後に青い絵の具を乗せることで深い群青色が出たのだそうです。確かにその効果はすばらしく、触ってみたいようなビロード感です。
 
デザインも光琳のものより整理されスッキリとしています。橋の色も墨のようなベースに緑が乗って、木の風雪を経た感じが出ています。そして、番組で指摘していたように風が吹いている感じが葉のそよぎで見られ、このシーズンのさわやかな風景となっています。光琳の作品がベースになっていても、あくまでも抱一のものとなっていて見事です。「光琳の後継者は私です」と言っている様な作品です。
 
屏風の楽しさで、横から見ると屏風が折りたたまれた向こうに杜若の茂みがいくつも重なる仕様になっていて、前から見るだけでなく斜めから見たり、横から見たりして楽しみたい。この屏風の前でごろ寝しながらお酒でも飲んだら、さぞや楽しいでしょうね。
 
酒井抱一の「八ツ橋図屏風」は、見に行く前よりもはるかに楽しめる作品でした。
 
それ以外の作品も、なかなか良いものがあり見所がありました。仏画のコーナーの「十王地獄図」は、地獄の辛さをこれでもかとばかりに描いていますが、こんなにひどいところだから功徳を積んで地獄に行かないようにという表向きとは別に、かなり楽しんで描いているのでは、と感じます。地獄絵はどれもそんな感があります。
 
水墨画が好きで、水墨画のコーナーはどれも良かったです。伝・周文の「待花件図」の絵と賛のバランスの良さ。絵も良くて、簡素でありながらユーモラス。こんな掛け軸が床の間にあったら嬉しいです。雪舟の絵に賛が付いている「破墨山水図」はサイズが小さいものの、これもいい感じです。大きい作品では相阿弥の「山水図」の屏風。どど~んと大きく描かれた山と手前の風景、小さいながら生活が窺える人々、かわいいです。のびのびとした気分になります。
 
文人がのコーナーの浦上玉堂の「雙峯挿雲図」ののびのびした感じがとても好きです。上手なんでしょうか ? 私にはヘタウマにしか見えないのですが、とにかくいい味が出ています。自由に描きましたって感じでしょうか。
 
琳派のコーナーには鈴木其一の「桜・楓屏風」があり、楓の木の描き方が面白く、この作品の中ではそこが気に入りました。
 
あとは、たくさん絵巻が出ていてこれらも楽しめます。8日までなので、東京駅近くまで行かれたら寄られることをお勧めいたします。絶対に楽しい時間が過ごせますよ。