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初めて見るゴッホ「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」

今日はいつもPCを利用しているスペースと図書館が月に一度のお休みで、書類も作れないしねー、って事で、大手を振って就活以外の事をしました。

ずっと行きたいと思い、チケットも買ってあった「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」を見る為に、上野公園にある東京都美術館に行きました。

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この展覧会は浮世絵に強い影響を得たというゴッホと日本との相互関係を探るというものです。

展示会の構成は以下の通り。

▪「画家としての自画像」 フィンセント・ファン・ゴッホ
1 パリ 浮世絵との出逢い
2 アルル 日本の夢
3 深まるジャポニスム
4 自然の中へ 遠ざかる日本の夢
5 日本人のファン・ゴッホ巡礼

行って見るまで知らなかったのですが、ただゴッホの作品を並べただけの展示会ではありませんでした。目録を見ると西洋画の展示会なのに展示の前期・後期の掛け替えの表示があります。

と、言うのは、ゴッホの作品と共に、ゴッホが愛してるやまない浮世絵の名品も展示されています。ゴッホの展示会に行って浮世絵も見られると言った趣きです。

チラシによると、今展覧会はゴッホの油彩画やデッサン約40点、同時代の画家の作品や浮世絵など約50点、更に関連資料も展示との事。

今回の目玉はゴッホが描いた浮世絵から着想を得た油彩画で、特に「花魁(渓斎英泉による)」「種まく人」です。オリジナルの浮世絵と共に見る、と言うのがいいですね。

それにしても、「花魁」にはビックリです。当時、日本が大ブームで、雑誌で紹介された栄泉の「雲龍打掛の花魁」を拡大して模写したようです。でも、色はオリジナルより原色を使っていてハッキリしているのと、バックはそれ以外の浮世絵を参考に竹とか蛙とか鶴とか描き込んでいます。花魁の後姿を描いた浮世絵が、余程描きたい気持ちを高めたのでしょうね。それまでのヨーロッパで見た事がない様式ですものね。しかも肖像画なのに後姿で振り向いているなんて、ヨーロッパでは考えられない斬新さだったのでしょう。

「種まく人」はゴッホの好きなもの2つが合体した様な絵です。ゴッホってミレーが大好きで、何枚か「種まく人」を描いていますが、そこに浮世絵の広重の「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」の構図をドンッと合体。画面の真ん中手前を斜めに太い梅の木が描かれ、その左側を種まく人が通ります。すごく大胆な構図です。浮世絵の構図の様な斬新さはそれまでのヨーロッパの絵画には無かったでしょうから、初めて見たら驚いたでしょうね。浮世絵で見慣れている日本人である私でも、ゴッホのこの梅の木の描かれた「種まく人」には驚きました。

ゴッホが精神に異常をきたしてからはうねる様な線が出てくる様なのですが、今回紹介されている作品の時期は、もっと素直な作風です。新しい手法を試してみたくて夢中で描いている様な感じです。花や木の絵も明るい色彩で美しく、アルルの強い光を感じます。

「日本人のファン・ゴッホ巡礼」で、日本人のゴッホへの熱狂ぶりが紹介されていますが、割と早い時期から日本にゴッホが紹介されていたのだと思うと、ちょっと驚きました。また、ゴッホに夢中になった人々がコレクターも元を訪ねたり墓参りをしたりと言った資料が沢山残されている事にも驚きました。

気楽に見に行って、今まで見た事がないゴッホの日本趣味の作品の数々を眺めるのも楽しい経験になると思います。

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