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鮮やかな風景で魅せる 「広重ビビッド」展

六本木のサントリー美術館で明日まで開催の「広重ビビッド」展に本日行って来ました。


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正直言って、こんなに混んでいるとは思っていませんでした。チケットを持っていてもいなくても入場までに長い列に並びます。でも15分位で入れました。

中がとにかく混んでいて、係員の方が「空いている所からご覧ください」と、ふれてまわっている程でした。浮世絵なので、ガラスのケースに入ったものを見て行くので、とにかく列が進みません。洋画のように壁に掛けてはいけないわけでは無いはずなんですが、サントリー美術館はガラスのケースでの展示です。そのケースに沿って順番に見て行こうとする人が多いので、渋滞してしまいます。更に、イヤホン・ガイドの人たちは、順番に回る率が高そうです。
 
今回の展示は、ほとんど全てが目玉です。
 
構成は以下の通り。
 
第1章 初公開 歌川広重 < 六十余州名所図会 >
第2章 最晩年の傑作 歌川広重 < 名所江戸百景 >
第3章 幻のシリーズ 葛飾北斎 < 千絵の海 >
第4章 名所絵の名品 葛飾北斎歌川国芳とともに
 
初公開の < 六十余州名所図会 > だけでも70点。< 名所江戸百景 > は120点を前後期で紹介の為、後期は63点。< 千絵の海 > が10点、名所絵の名品が18点で、161点もの作品が展示されていました。作品数がこんなに多いとは思っていなかったのと、こんなに混雑しているとは思っていなかったのとで、結構見るのに時間がかかり、最後の方は駆け足で見ました。
 
「広重ビビッド」、とにかく充実した展示会でした。広重の < 六十余州名所図会 > は初公開ということで、当然初めて目にするわけですが、摺りがきれいなものが多く、色がスッキリハッキリ出ているものは本当に美しいのです。< 名所江戸百景 > は、浮世絵でめぐる江戸ツアーです。
 
さらに葛飾北斎の < 千絵の海 > は、今まで北斎を色々見たものの、初めて見るものばかりでした。北斎も作品数が多いでしょうから、なかなかお目にかかれない作品もまだまだありそうです。
 
浮世絵にしろ日本画にしろ、日本の絵って、構図が画期的です。デザイン力があるというか、この当時の西洋絵画では見ない構図。西洋絵画のようながんじがらめの縛りが少なかったのでしょうか。ま、いずれにしろ、現代でも十分通用するデザイン力です。
浮世絵は木版画で何度も色を重ねて摺っていくわけですが、このテクニックはたいしたものです。摺り師も腕がいい人でないと、こうも美しい作品にはならないでしょう。1枚目と100枚目では明らかに摺りあがりが違うのも、浮世絵ならでは。当時は芸術品というよりは日用品として扱われていたので、大切に扱っていなかっただろうと思われます。その中で、状態の良いものを保存しているというのはすごく運のいいことです。
 
もっと早くに見に行けばよかったなと思いました。とにかく充実した展示会でした。満足度も高いです。風景画のみの浮世絵の展示ということで、地味なイメージでしたが、実際は十分美的に満足致しました。広重、恐るべし。